英語でクルーズ(1) 第25回 [Oh,my Gooodness!]

親子で英語圏に住み、現地の学校に行きながら英語を学ぶ……。3歳の娘と母親である筆者は、夫のアメリカ転勤のために、そんな理想的な環境に飛び込むことになりました。果たして本当に「子どもは英語にすぐ慣れるから大丈夫」? アメリカに住みながら英語を学ぶメリットとデメリットとは? 筆者のアメリカ生活をとおして、日本に住むご家庭では、どんな取り組みができるのか考えていきます。
※「Oh,my Gooodness!」とは、「あらまあ!」という驚きを表すことば。

船の甲板に立つと、すぐ向こうに氷河が広がっていた。普通の氷とはまったく違う、グレイシャーブルーと呼ばれるミントグリーンの混じった神秘的な色だ。
高い山から移動してきた氷河は、ごごごごごごご……、ズドーーーーンと、すさまじい地鳴りにも似た音をたて、ここで海に流れ落ちる。

「Look!」「It"s glacier!」「Beautiful!」「Unbelievable!」
アメリカ人観光客たちの驚嘆する声が甲板を飛びかう。
暗い色をした海の上には、崩れおちた氷の塊がぷかぷかと浮いて漂っていた。
8月だというのに、氷河のまわりは真冬だ。手がかじかみ、鼻の頭が冷たくなってくる。
娘は「さむーい」と言って抱っこを求め、パパのジャンパーの中に入り込んでしまった。でも顔だけは氷河のほうに向けて、じっと見ている。

アメリカに来てから初めての夏休み、私たち家族は8日間のアラスカクルーズに参加することにした。
アメリカ西海岸からアラスカというのは、ちょうど東京から北海道旅行に行って来るぐらいの感覚で、家族連れ向けのツアーがたくさん出ていた。

船の中には託児施設があり、3歳以上は無料で預かってもらえる。ただし当然ながら、スタッフが話すのはすべて英語だ。
託児所に行ってみると、巨大なボールプールがあり、娘は中に飛び込んで遊び始めた。
窓を開けると甲板に子ども向けの小さな公園のような遊び場もある。娘はこうした施設に心を奪われたらしい。
「もっと遊びたい」と言うので、クルーズのあいだ毎日2、3時間ほど預けることにした。

託児所のアクティビティはなかなか充実していた。
海賊に仮装したスタッフがやってきて、みんなで海賊の帽子や剣を作って船の中を探検してまわったり、3時になるとアイスクリームを食べにビュッフェに行ったり、夜には船のディスコに出かけて踊ったりと、日替わりで楽しいイベントがある。
娘は泣いて嫌がるかと思ったが、スタッフには英語をゆっくり話してくれるように頼んでおいたのと、とにかく活動が楽しかったらしく、「もっとここで遊びたい」と言うほど気に入っていた。

第25回  [Oh,my Gooodness!]英語でクルーズ(1)おみやげ用に乗客を撮ったDVDの見本を見ていたら、なんとうちの娘が海賊の帽子をかぶり、海賊のフェイスペインティングをした6歳ぐらいのお姉さんに手をひかれ、興味津々の表情で船内を練り歩く様子が写っている。言葉の壁にあまりはばまれることのない「娯楽」だったこともあり、ネイティブの集団に入ってもついていけたらしい。保育園に慣れるまで苦労しただけに、これはうれしい驚きだった。

プロフィール

山本美芽

音楽・ノンフィクションライター。中学校教諭、養護学校教諭からライターに転身。現在は音楽と教育をテーマに執筆活動を行う。著書に「りんごは赤じゃない 正しいプライドの育て方」「子どものセンスは夕焼けが作る」など。2006年3月より米カリフォルニア州在住。1児の母。

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