決まらない小学校英語教育の内容

中央教育審議会の教育課程部会は2006年2月13日に「審議経過報告」を出しましたが、注目の小学校英語教育については、対象学年や時間数・内容など具体的なことは示されませんでした。中教審としても3月中には方針を決めたいとのことですが、現在も審議は難航しているようです。

小学校英語教育をめぐる論議

小学校の英語教育では、現在どのような形で英語が取り入れられているのでしょう。小学校で英語活動を実施している学校での実践も、さまざまなパターンがあるようです。

まずは、2002年4月に始まった「総合的な学習の時間」の「国際理解」として実践されている「英語」、そして教科としての「英語」または「英会話」、さらにクラブとしての「英語」または「英会話」、最後に実践事例は極めて少ないものの、学校の教科そのものを英語で行っている「イマージョンプログラム」に基づいた英語教育などがあるでしょう。
 ※「イマージョンプログラム」とは、通常の教科の授業を第二言語(英語)で教えることにより、学習者に自然に第二言語(英語)を習得させる教育プログラム

小学校英語教育は中教審の審議経過報告(pdf:541KB)のなかでも「小学校段階における英語教育を充実する必要がある」と記載されています。ただ、いまだに小学校から英語教育は本当に必要なのか、基礎基本の定着のためにも国語や算数などをもっと強化したほうがよいのではないかという声や、英語教育の効果を疑問視する意見もあり、審議に時間がかかっています。

小学校の英語教育を充実するといっても、国語や算数などのように「教科」にするのか、それとも「総合的な学習の時間」のなかで行うのか、道徳のような扱いにするのか、といったこれからの方向性がまだ決まっていません。この方向性が決まれば、何年生から始めるのか、どういった内容にするのか、何時間かけるのか、など具体的なことを審議する段階に移っていくでしょう。

小学校英語教育で大きな問題になっているのは指導者です。現在、小学校で英語活動を実施しているところでは、学級担任、ALT(外国人の英語教師)、中学校英語教員、英語が堪能な地域の人材が指導しているようです。今後は教員研修が、早急に解決しなければならない課題のひとつとなるでしょう。また、教員の問題だけでなく、果たしてどんな教材を用意するのかなど、乗り越えるべき課題は少なくありません。

全国的な状況と今後の予測

文科省の「義務教育に関する意識調査」(2005年実施)によれば、「小学校から英語活動を必修にする」という質問に対して小学生の保護者の約7割が賛成しています。現在、英語活動を実施している小学校は全体の9割強です。しかし、毎週1時間、年間で35時間実施している小学校は1割程度でしかありません。年間で10数時間という小学校が多いようです。

次の学習指導要領は2006〜07年度に決まり、それに基づいた新しい教科書で子どもたちが学び始めるのは2010年度頃になりそうです。もし小学校英語を教科にするという方針になれば、2010年度頃に小学校英語の教科書が新たに誕生することになります。教科になるかどうかは別にして、その頃から小学校での英語教育は現在よりもさらに充実したものになっているでしょう。そのために、文部科学省は教員研修や教材整備などの基盤を整えることになります。

小学校英語については中教審のなかに設置されている「外国語専門部会」で検討されています。外国語専門部会が、この3月中にどのような結論を出すのかが注目されます。

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