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ことばの理解

ひらがなカタカナの読み書きや、言葉の理解のために、こんな工夫をしました

ワークブックで間違っていた場合にも、間違いが悪いことだと思わせないように意識して声をかけています。

A.Yさん Kくん (体験談当時の年齢:6歳6ヵ月頃 男 第2子 埼玉県)

その当時の子どもの状況と私の気持ちはこうでした

ひらがなに全く興味を示さなかったのが、年長に上がるくらいから、自分でお手紙を書くようになりました。鏡文字などが多く読むのも大変なのですが、書きたいという気持ちを大切にしたいと思いました。

<こどもちゃれんじ>の教材のこんなところが役に立ちました。

ワークブックが大好きで、喜んで取り組んでいます。また、教材の中にひらがなが書いてあると、一生懸命にそれを真似して書いて、自分の字の間違いにも「ここがちょっと違ってたね」と言いながら正しいものを覚えていっています。子どもが自分で気がついたときは、オーバーなくらいに「よく気がついたねぇ、小さな間違いだったのに、すごいねえ!」とほめるようにし、間違っていたことを悪いことだと思わせないように気をつけています。終わった後は、ペンで最後まで頑張ったという意味ではなまるをつけてあげると、本人はそれをとても喜んでいます。「認めてもらえた」ということがやはり嬉しいのだと思います。

その後、子どもにはこんな変化が見られました。

今は、お手紙を書くのが楽しいらしく、帰りの遅いパパに書いています。お兄ちゃんとけんかした時も、お手紙で「ごめんね」を伝えているようです。絵本なども読んで聞かせてくれるようになりました。

さらに家庭で工夫してみたことは・・・。

ワークブックは自分から取り組もうとするので、様子を見ながらわからないことを聞いてきた時にヒントを与えています。はじめに難しめのヒントからだし、徐々にやさしいヒントをだしていって、すぐに答えを教えてしまうのではなく、子どもに考えさせながら正解に導くようにしています。また、教材以外では、子どもから手紙をもらうことがあるのですが、そんなときは必ずお返事を書くようにしています。

今振り返ってみて思うことは・・・。

これから小学校に入学すると覚えることも増えますが、今のように何にでも興味を持って楽しくやっていけたらいいと思います。そして、間違えてもそれに気がつくことが大切なんだと思えるようになって欲しいと思っています。

ことばの理解

沢井 佳子 先生

就学前までには文字の読み書きができなければ・・・とお考えのおうちのかたは決して少なくないでしょう。
「文字」や「数」は、机に向かって「勉強」して初めて身につくものだという、一般的な認識が、私たち大人の中にあるからかもしれません。ところが、幼児は小さいうちから、言語や数の基礎概念をつくる課題に、自然に触れて学んでいるのです。「我が子には、思いやりのある子に育って欲しい」と誰もが思います。
そしてそのために、道徳的なお説教をしようと考えがちです。しかし、「相手の言っていることが理解できる」とか「相手の立場(視点)を想像できる」というのは、実は認知能力の発達に基づく「想像力」や「言語」の力があるからこそ可能だといえるのです。

「言葉」の理解は、社会性をはじめ様々な力を育む基礎になります。
例えば、Aちゃんのコップが割れて泣いているとします。「Aちゃんのコップが割れた」という事実と、「Aちゃんが泣いている」という事実から、「Aちゃんは自分のコップが割れて、悲しくて泣いているんだ」と関連づけて考えられるのは「因果関係」を理解しているからできることで、これは「論理」の基礎となります。
また、幼稚園で子どもたちの間でおもちゃのとりあいになることがよくあります。年少・年中のうちは、こうした「いざこざ」は頻繁に起きますし、仲裁には先生の力が必要です。それが、年長になってくると「いざこざ」の回数もぐんと減り、たとえ起こっても、自分たちで解決することができるようになります。

これは、まずお互いに相手の話している言葉が分かるという「言語」の力が発達してきたからという要因があります。更には、おもちゃを、Aちゃん、Bくん、Cくん、Aちゃんと使ったら次はBくんの番だという「系列(A→B→C→A→B→C→A→…)」の概念が理解できるようになり、「これが公平なんだ」と分かるようになったから…といえる場合も多いのです。そして、お互い言葉を使ってルールを決めて、理解し合い、自分達で解決するようになるのです。すなわち、言語や論理を理解する能力が、いざこざを減らし、思いやりや円滑な集団生活を支えているといえるのです。

「うちの子は思いやりがない」とか「人のおもちゃを取ってしまう」とご心配の方もいらっしゃるかもしれませんが、それはお子さんが、もともと人格の特性として思いやりがないわけでも、自分勝手なのでもなく、こうした「系列、順番という論理」を理解し、表現するための、認知的な力が発展途上だからといえます。このように日常生活にも、それらの認知的な概念は深い影響を与えているのです。

ある研究では、幼稚園年長組の時点で読み書きの習得状況に大きな差があった子どもたちも、小学校1年生の9月には、子どもたちの読み書きの技能(スキル)には差がなくなっていたという結果が出ています。ですから、読み書きの技能はいずれ身についていくものととらえて、あまりこだわりすぎないことが大切です。むしろ幼児期に育ててほしいのは、言葉の持っているルールや仕組みのおもしろさへの関心です。日常生活や遊びと結びついた、ことばの理解の積み重ねが、将来の作文表現の豊かさや言葉の使い方などのセンスに直結するのです。

文字に関心を持ち始めた子どもは、先ず手紙を書きたがることが多いようです。子どもの作文能力を育てる最初の段階では、身近な大人が、子どもの話した言葉を口述筆記する(書き取ってあげる)といいでしょう。手紙を書くときも、先ずは口述筆記から始めたいものです。つまり、子どもが想像をふくらませて表現した言葉を、そのまま文章として定着させて、子ども自身にその内容を読み聞かせて確認することは、子どもにとっても楽しく、文字言語への深い興味を抱かせる経験となります。そして、そのような口述筆記(大人が書き取った文面)に加えて、子どもが絵を自由に描いて挿し絵にするのもよいですね。

さらに子ども自身が、字を書きたいと言い出したら、「どんな言葉を、書きたいの?」とたずねて、おうちのかたがそのお手本の文字を書いてあげて、子どもに文字を書かせてみるのもいいでしょう。もちろん、このときは、書く楽しみを中心にして、字の形の悪さなどは大目に見てください。子ども本人が書いた文字情報だけが手紙だと考えずに、子どもの話し言葉の豊かさ(口述筆記の文章)や、子どもの字への興味(名前のサインや、ひとこと)、絵で描いた表現等々をミックスして、手紙に盛り込むという発想を持って、子どものコミュニケーション世界をいきいきとしたものにしてあげましょう。

ひらがな・カタカナの読み書きや、言葉の理解のために、こんな工夫をしました

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