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ことばの理解

ひらがなカタカナの読み書きや、言葉の理解のために、こんな工夫をしました

「しまじろうが『何て書いてあるの』って聞いてるよ」という言葉がけが効果的でした。

S.Yさん Yちゃん (体験談当時の年齢:3歳11ヵ月頃〜6歳11ヵ月頃 女 第1子 岩手県)

その当時の子どもの状況と私の気持ちはこうでした

自分が興味を持ったことには意欲的でしたが、そうでないことは全く取り組もうとせず、嫌なものは嫌という激しい性格の子だったので、言葉や文字に自然に興味を持たせる工夫が必要だと思いました。興味を持つと驚くほど集中することもありましたので、その点を伸ばしたいと思いました。

<こどもちゃれんじ>の教材のこんなところが役に立ちました。

娘はしまじろうが大好き。小さい時から親が言うと「ふんっ」といって聞かないことも、「しまじろう」が言っていることにすると素直に言うことを聞いてくれたのでそれを利用しようと考えました。例えば、本誌やワークブックの中で、ひらがなが書いてあるところを指差し、「しまじろうが、『これなんて書いてあるの?』って聞いてるよ。教えてあげて!」と言うと読もうという気になり、一生懸命文字を読みます。課題として作られていないところでも、同じようにして読む意欲を引き出しました。当然わからない文字もありますが、しまじろうに教えてあげたい一心で、私に「ねーこれなんて読むの?」と聞いてくるのです(普段は絶対私に文字の読み方を聞くことなどしないのに・・・)。しまじろうがしゃべっているようなふきだしは、「しまじろうが何か言ってるよ。なんて言ってるの?」というと興味を持って読み、「ひらがな読めてよかったね!しまじろうのお話を聞けたもんね!!」などと言葉かけをしているうちに「ひらがなを読めるって素敵なことだ」と感じるようになったようです。

その後、子どもにはこんな変化が見られました。

娘は絵が好きだったので、娘の好きそうな絵が書いてある「ひらがなポスター」を食卓の壁や寝室の子どもが良く見える場所に貼っていました(たとえば『あ』なら『赤ちゃんの絵』が描いてあるものです)。最初はまずその『絵』をみるよう促し、「赤ちゃんがいるね!」などと話しかけるようにしていました。娘にとっても大好きな絵ですし、いつも目にするものなのでその絵のとなりにある『文字』も自然に目に入り親しんだようです。

さらに家庭で工夫してみたことは・・・。

小学校に入っても、ひらがなについては引き続き学んでいきますよね。うちの子どもには、「チャレンジ1年生」のひらがなをテーマにしたビデオがとにかくよかったです。ひらがな一文字一文字を絵やキャラクターで表し楽しい歌で紹介していくのですが、文字の持つ雰囲気と絵やキャラクターがピッタリ合っていてイメージをつかみやすく、音楽やキャラクターの動作も面白くて親が見ても笑ってしまう程でした。娘は何度も見て、あっという間に覚えてしまい、間違いもありませんでした。ものの名前や知っていることを「ひらがなで書ける」ということが嬉しかったようです。私は家事をしながらでも子どもたちの勉強の様子がわかるように、台所のテーブルで勉強をさせていました。テレビやビデオも台所に置いていたので、子どもの様子を見ながら話しかけつつ取り組ませることができました。

今振り返ってみて思うことは・・・。

決して無理強いせずに、自然に慣れ親しむようにと考えて、常に目にふれるようにしたのが良かったと思います。また<こどもちゃれんじ>の順序だてたゆっくりペースの導きもあって、「難しい」などという先入観も持たず、楽しく取り組めるようになったと思います。市販のドリルを買い与えたこともありましたが、ボリュームも多く絵もないので、やはりそれでは子どもも興味を持たないし、集中力も続かないんですね。<こどもちゃれんじ>のものは、例えば「あいうえお」を学ぶのでも、それを一気に書かせたり何度も同じ文字をただひたすらくりかえすというものではなく、身近な題材から「あ」という文字への興味を引き出して、まず「あ」だけをじっくり書かせるもので、きちんと子どもが取り組める量・子どもが取り組みやすいテーマを知っているのだと思いました。入学前は、大体は読めるけれど、書く方は自分の名前しか書けなかったので少し心配でしたが、そんな基礎があったからか入学後は苦もなく覚えて書けるようになったと思いますよ。

編集部から

「チャレンジ1年生」ではひらがな特集で映像教材をお届けする予定です。小学生になるから「勉強しなきゃ」と思わずに、楽しいことをたくさん学べるんだという気持ちを持って欲しいという願いを込めて、工夫をこらしたひらがな特集の映像教材です。また、<こどもちゃれんじ ほっぷ>ではひらがなを楽しく認知できる体験教材を、<こどもちゃれんじ すてっぷ>ではひらがなの読み書きを楽しく学べるワークブック、<こどもちゃれんじ じゃんぷ>ではひらがな・カタカナを楽しく学べるワークブックをお届けしています。

ことばの理解

沢井 佳子 先生

就学前までには文字の読み書きができなければ・・・とお考えのおうちのかたは決して少なくないでしょう。
「文字」や「数」は、机に向かって「勉強」して初めて身につくものだという、一般的な認識が、私たち大人の中にあるからかもしれません。ところが、幼児は小さいうちから、言語や数の基礎概念をつくる課題に、自然に触れて学んでいるのです。「我が子には、思いやりのある子に育って欲しい」と誰もが思います。
そしてそのために、道徳的なお説教をしようと考えがちです。しかし、「相手の言っていることが理解できる」とか「相手の立場(視点)を想像できる」というのは、実は認知能力の発達に基づく「想像力」や「言語」の力があるからこそ可能だといえるのです。

「言葉」の理解は、社会性をはじめ様々な力を育む基礎になります。
例えば、Aちゃんのコップが割れて泣いているとします。「Aちゃんのコップが割れた」という事実と、「Aちゃんが泣いている」という事実から、「Aちゃんは自分のコップが割れて、悲しくて泣いているんだ」と関連づけて考えられるのは「因果関係」を理解しているからできることで、これは「論理」の基礎となります。
また、幼稚園で子どもたちの間でおもちゃのとりあいになることがよくあります。年少・年中のうちは、こうした「いざこざ」は頻繁に起きますし、仲裁には先生の力が必要です。それが、年長になってくると「いざこざ」の回数もぐんと減り、たとえ起こっても、自分たちで解決することができるようになります。

これは、まずお互いに相手の話している言葉が分かるという「言語」の力が発達してきたからという要因があります。更には、おもちゃを、Aちゃん、Bくん、Cくん、Aちゃんと使ったら次はBくんの番だという「系列(A→B→C→A→B→C→A→…)」の概念が理解できるようになり、「これが公平なんだ」と分かるようになったから…といえる場合も多いのです。そして、お互い言葉を使ってルールを決めて、理解し合い、自分達で解決するようになるのです。すなわち、言語や論理を理解する能力が、いざこざを減らし、思いやりや円滑な集団生活を支えているといえるのです。

「うちの子は思いやりがない」とか「人のおもちゃを取ってしまう」とご心配の方もいらっしゃるかもしれませんが、それはお子さんが、もともと人格の特性として思いやりがないわけでも、自分勝手なのでもなく、こうした「系列、順番という論理」を理解し、表現するための、認知的な力が発展途上だからといえます。このように日常生活にも、それらの認知的な概念は深い影響を与えているのです。

ある研究では、幼稚園年長組の時点で読み書きの習得状況に大きな差があった子どもたちも、小学校1年生の9月には、子どもたちの読み書きの技能(スキル)には差がなくなっていたという結果が出ています。ですから、読み書きの技能はいずれ身についていくものととらえて、あまりこだわりすぎないことが大切です。むしろ幼児期に育ててほしいのは、言葉の持っているルールや仕組みのおもしろさへの関心です。日常生活や遊びと結びついた、ことばの理解の積み重ねが、将来の作文表現の豊かさや言葉の使い方などのセンスに直結するのです。

文字に関心を持ち始めた子どもは、先ず手紙を書きたがることが多いようです。子どもの作文能力を育てる最初の段階では、身近な大人が、子どもの話した言葉を口述筆記する(書き取ってあげる)といいでしょう。手紙を書くときも、先ずは口述筆記から始めたいものです。つまり、子どもが想像をふくらませて表現した言葉を、そのまま文章として定着させて、子ども自身にその内容を読み聞かせて確認することは、子どもにとっても楽しく、文字言語への深い興味を抱かせる経験となります。そして、そのような口述筆記(大人が書き取った文面)に加えて、子どもが絵を自由に描いて挿し絵にするのもよいですね。

さらに子ども自身が、字を書きたいと言い出したら、「どんな言葉を、書きたいの?」とたずねて、おうちのかたがそのお手本の文字を書いてあげて、子どもに文字を書かせてみるのもいいでしょう。もちろん、このときは、書く楽しみを中心にして、字の形の悪さなどは大目に見てください。子ども本人が書いた文字情報だけが手紙だと考えずに、子どもの話し言葉の豊かさ(口述筆記の文章)や、子どもの字への興味(名前のサインや、ひとこと)、絵で描いた表現等々をミックスして、手紙に盛り込むという発想を持って、子どものコミュニケーション世界をいきいきとしたものにしてあげましょう。

ひらがな・カタカナの読み書きや、言葉の理解のために、こんな工夫をしました

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