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ことばの理解

ひらがなカタカナの読み書きや、言葉の理解のために、こんな工夫をしました

周りの年長のお友だちはひらがなの読み書きができましたが、うちの子は入学前までにできればいいなと思っていました。

A.Hさん Yちゃん (体験談当時の年齢:5歳1ヵ月頃〜6歳0ヵ月頃 女 第1子 神奈川県)

その当時の子どもの状況と私の気持ちはこうでした

うちの子の友だちは、おうちの方が一生懸命読み書きを教えている人が多く、かなりの子が年長の時点でひらがなの読み書きができていました。カタカナの読み書きまでできている子もいました。しかしながら、うちの子はひらがなの読み書きができませんでした。特に焦りはありませんでしたが、小学校入学前までにひらがなの読み書きができるようになってほしいと思っていました。

<こどもちゃれんじ>の教材のこんなところが役に立ちました。

「ひらがな なぞりんボード」「ひらがな・カタカナポスター」が役立ちました。「ひらがな なぞりんボード」は何度もなぞって練習できたのがよかったと思います。水で濡らして使えるのもよかったです。「ひらがな・カタカナポスター」は子どもの目につくところに貼り、子どもが私に字を聞いてきたときに、「ひらがな・カタカナポスター」を見て、自分で確認するよう促しました。

その後、子どもにはこんな変化が見られました。

字が読めるようになったことで、絵本を読む楽しみが増えたようです。また、町を歩いていても看板に知っている字を見つけては喜んでいました。入学した時点でうちの子はまだカタカナが全部読めず、書くことも不完全でしたが、「チャレンジ1年生」の「よみかきけいさんトレーニング」などを使いながら、あっという間に習得しました。絵本のなかにはカタカナもたくさんあるので、それを目にしていたことでカタカナの字形にも親しんでいたのではないでしょうか。そのため習得が早かったのではないかと思っています。

さらに家庭で工夫してみたことは・・・。

毎晩寝る前に本の読み聞かせをしていましたが、そのときに「これはママの『ま』だね」などのように、読みながら時々字の説明も入れていました。そしてあるとき、子どもが本の最後に書いてあった字を見て、「『おわり』って書いてあるね!」と言ったのです。それをきっかけに、ものすごい早さでひらがなが全部読めるようになりました。どうしてそんなことが起こったのかがわからず、すごく驚いたのを覚えています。

今振り返ってみて思うことは・・・。

入学前にひらがなの読み書きができるようになったことは、子どもにとってもよかったのではないかと思います。小学校は、幼稚園のように手取り足取り先生が手伝ってはくれません。そんなときに、とりあえず自分の名前の読み書きだけでもできると、きっと役に立つと思うのです。しかし、早くからすべてができなくても構わないと思います。年長になるころに早々と読み書きができていたお友だちに比べて、後からできるようになったうちの子が、小学校に入学して勉強が始まったときに、特に周りの子に比べて劣っているようには感じませんでした。逆に、変に焦って周りの子と比べたりして、子どもにプレッシャーを与えるようなことはしないほうがいいのではないでしょうか。

編集部から

「ひらがな なぞりんボード」は、<こどもちゃれんじ すてっぷ>でお届けします。(名称は変わることがあります。)また、<じゃんぷ>ではカタカナを楽しく学べるワークをお届けしています。<こどもちゃれんじ>では、色々な手法で文字に親しみ楽しんでいただけるカリキュラムをご用意しています。

ことばの理解

沢井 佳子 先生

就学前までには文字の読み書きができなければ・・・とお考えのおうちのかたは決して少なくないでしょう。
「文字」や「数」は、机に向かって「勉強」して初めて身につくものだという、一般的な認識が、私たち大人の中にあるからかもしれません。ところが、幼児は小さいうちから、言語や数の基礎概念をつくる課題に、自然に触れて学んでいるのです。「我が子には、思いやりのある子に育って欲しい」と誰もが思います。
そしてそのために、道徳的なお説教をしようと考えがちです。しかし、「相手の言っていることが理解できる」とか「相手の立場(視点)を想像できる」というのは、実は認知能力の発達に基づく「想像力」や「言語」の力があるからこそ可能だといえるのです。

「言葉」の理解は、社会性をはじめ様々な力を育む基礎になります。
例えば、Aちゃんのコップが割れて泣いているとします。「Aちゃんのコップが割れた」という事実と、「Aちゃんが泣いている」という事実から、「Aちゃんは自分のコップが割れて、悲しくて泣いているんだ」と関連づけて考えられるのは「因果関係」を理解しているからできることで、これは「論理」の基礎となります。
また、幼稚園で子どもたちの間でおもちゃのとりあいになることがよくあります。年少・年中のうちは、こうした「いざこざ」は頻繁に起きますし、仲裁には先生の力が必要です。それが、年長になってくると「いざこざ」の回数もぐんと減り、たとえ起こっても、自分たちで解決することができるようになります。

これは、まずお互いに相手の話している言葉が分かるという「言語」の力が発達してきたからという要因があります。更には、おもちゃを、Aちゃん、Bくん、Cくん、Aちゃんと使ったら次はBくんの番だという「系列(A→B→C→A→B→C→A→…)」の概念が理解できるようになり、「これが公平なんだ」と分かるようになったから…といえる場合も多いのです。そして、お互い言葉を使ってルールを決めて、理解し合い、自分達で解決するようになるのです。すなわち、言語や論理を理解する能力が、いざこざを減らし、思いやりや円滑な集団生活を支えているといえるのです。

「うちの子は思いやりがない」とか「人のおもちゃを取ってしまう」とご心配の方もいらっしゃるかもしれませんが、それはお子さんが、もともと人格の特性として思いやりがないわけでも、自分勝手なのでもなく、こうした「系列、順番という論理」を理解し、表現するための、認知的な力が発展途上だからといえます。このように日常生活にも、それらの認知的な概念は深い影響を与えているのです。

ある研究では、幼稚園年長組の時点で読み書きの習得状況に大きな差があった子どもたちも、小学校1年生の9月には、子どもたちの読み書きの技能(スキル)には差がなくなっていたという結果が出ています。ですから、読み書きの技能はいずれ身についていくものととらえて、あまりこだわりすぎないことが大切です。むしろ幼児期に育ててほしいのは、言葉の持っているルールや仕組みのおもしろさへの関心です。日常生活や遊びと結びついた、ことばの理解の積み重ねが、将来の作文表現の豊かさや言葉の使い方などのセンスに直結するのです。

文字に関心を持ち始めた子どもは、先ず手紙を書きたがることが多いようです。子どもの作文能力を育てる最初の段階では、身近な大人が、子どもの話した言葉を口述筆記する(書き取ってあげる)といいでしょう。手紙を書くときも、先ずは口述筆記から始めたいものです。つまり、子どもが想像をふくらませて表現した言葉を、そのまま文章として定着させて、子ども自身にその内容を読み聞かせて確認することは、子どもにとっても楽しく、文字言語への深い興味を抱かせる経験となります。そして、そのような口述筆記(大人が書き取った文面)に加えて、子どもが絵を自由に描いて挿し絵にするのもよいですね。

さらに子ども自身が、字を書きたいと言い出したら、「どんな言葉を、書きたいの?」とたずねて、おうちのかたがそのお手本の文字を書いてあげて、子どもに文字を書かせてみるのもいいでしょう。もちろん、このときは、書く楽しみを中心にして、字の形の悪さなどは大目に見てください。子ども本人が書いた文字情報だけが手紙だと考えずに、子どもの話し言葉の豊かさ(口述筆記の文章)や、子どもの字への興味(名前のサインや、ひとこと)、絵で描いた表現等々をミックスして、手紙に盛り込むという発想を持って、子どものコミュニケーション世界をいきいきとしたものにしてあげましょう。

ひらがな・カタカナの読み書きや、言葉の理解のために、こんな工夫をしました

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