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ことばの理解

ひらがなカタカナの読み書きや、言葉の理解のために、こんな工夫をしました

日常生活の中で遊びながら取り組んでいく、ということが理解への近道だと思います。

Y.Mさん Nちゃん (体験談当時の年齢:3歳8ヵ月頃〜4歳6ヵ月頃 女 第1子 香川県)

その当時の子どもの状況と私の気持ちはこうでした

それまで全く文字に興味を示しませんでしたし、私も娘が興味が持てるまでは特に何もしなくていいと考えていましたが、幼稚園のお友だちが自分の名前をひらがなで書いて娘にくれたことがありました。それがきっかけになって、段々と娘曰く「くねくねの線」(文字のことです)が家の中にも外にもあることに気がついたらしく興味を示しはじめ、「これはなんて読むの?」と聞いてくるようになりました。せっかく、興味を持ち始めたのだから、その好奇心を強制的にではなく楽しんで伸ばしてあげられればいいな、と思いました。

<こどもちゃれんじ>の教材のこんなところが役に立ちました。

<こどもちゃれんじ ほっぷ>でついてきた「ひらがなポスター」、これはとにかく大活躍でした。玄関の廊下に貼っておいたところ、テレビのテロップでも、新聞でも、幼稚園の保護者向けのプリントでも、とにかく漢字もカタカナの区別もわからない状態なのですが、すぐにポスターのところに飛んでいって、「うーんと、うーんと」と一生懸命その中から探していました。カタカナや漢字の場合にはそこにはないので、「これは、あなたがおねえちゃんになったら読めるようになるんだよ。だから今はこのポスターの中にあるものをみつけようね!」と話しました。その言葉を理解できたかはわからないのですが、それからはポスターにある文字を探すようになりました。また「ひらがなポスター」と一緒に届いたビデオは、ひらがなの文字とその音を一緒に説明してくれるもので、この文字がどんな音を示すのか、というのがとっても分かりやすく、ビデオで一緒に声に出して親子で一緒に楽しみました。

その後、子どもにはこんな変化が見られました。

段々と文字が理解できるようになり、たくさん読めるものも増えてきました。間違っていることもあるのですが、何より娘が楽しそうに文字を読んでいるのを見て、「これなんて読むの?」攻撃が増えたことで娘と楽しく会話ができる時間が増えたことがより嬉しかったです。

さらに家庭で工夫してみたことは・・・。

紙とえんぴつを持って、話す言葉でも文字でどう表現するのか、を娘とよく話すようになりました。例えば、娘が「みかん、食べる!」と言うときに、「みかんはこうやって書くんだよ」と紙に書いて見せてあげると、ふーんとうなずいて、「それは、これとこれとこれだよね」と「ひらがなポスター」で指をさして教えてくれるようになりました。

今振り返ってみて思うことは・・・。

「文字はそろそろやらせなきゃいけないのかな・・・」とふと気持ちがよぎることもありましたが、娘の様子を見ていると、何より子どもが楽しいと思えることが大切だな、と思います。今は、「カタカナポスター」に親しみながら、おねえちゃんになった気分で得意気な表情をして、私にいろいろと読んできかせてくれます。親子一緒に教材を「きっかけ」にして、日常でも文字に触れる機会を増やしていけると、子どもは好奇心を持ってぐぐんと吸収してくれるものだと思いますよ。

編集部から

<こどもちゃれんじ ほっぷ>でひらがなを楽しく認知できる体験教材を、<こどもちゃれんじ すてっぷ>では書き方を学ぶ体験教材と文章でやりとりができる体験教材をお届けしています。

ことばの理解

沢井 佳子 先生

就学前までには文字の読み書きができなければ・・・とお考えのおうちのかたは決して少なくないでしょう。
「文字」や「数」は、机に向かって「勉強」して初めて身につくものだという、一般的な認識が、私たち大人の中にあるからかもしれません。ところが、幼児は小さいうちから、言語や数の基礎概念をつくる課題に、自然に触れて学んでいるのです。「我が子には、思いやりのある子に育って欲しい」と誰もが思います。
そしてそのために、道徳的なお説教をしようと考えがちです。しかし、「相手の言っていることが理解できる」とか「相手の立場(視点)を想像できる」というのは、実は認知能力の発達に基づく「想像力」や「言語」の力があるからこそ可能だといえるのです。

「言葉」の理解は、社会性をはじめ様々な力を育む基礎になります。
例えば、Aちゃんのコップが割れて泣いているとします。「Aちゃんのコップが割れた」という事実と、「Aちゃんが泣いている」という事実から、「Aちゃんは自分のコップが割れて、悲しくて泣いているんだ」と関連づけて考えられるのは「因果関係」を理解しているからできることで、これは「論理」の基礎となります。
また、幼稚園で子どもたちの間でおもちゃのとりあいになることがよくあります。年少・年中のうちは、こうした「いざこざ」は頻繁に起きますし、仲裁には先生の力が必要です。それが、年長になってくると「いざこざ」の回数もぐんと減り、たとえ起こっても、自分たちで解決することができるようになります。

これは、まずお互いに相手の話している言葉が分かるという「言語」の力が発達してきたからという要因があります。更には、おもちゃを、Aちゃん、Bくん、Cくん、Aちゃんと使ったら次はBくんの番だという「系列(A→B→C→A→B→C→A→…)」の概念が理解できるようになり、「これが公平なんだ」と分かるようになったから…といえる場合も多いのです。そして、お互い言葉を使ってルールを決めて、理解し合い、自分達で解決するようになるのです。すなわち、言語や論理を理解する能力が、いざこざを減らし、思いやりや円滑な集団生活を支えているといえるのです。

「うちの子は思いやりがない」とか「人のおもちゃを取ってしまう」とご心配の方もいらっしゃるかもしれませんが、それはお子さんが、もともと人格の特性として思いやりがないわけでも、自分勝手なのでもなく、こうした「系列、順番という論理」を理解し、表現するための、認知的な力が発展途上だからといえます。このように日常生活にも、それらの認知的な概念は深い影響を与えているのです。

ある研究では、幼稚園年長組の時点で読み書きの習得状況に大きな差があった子どもたちも、小学校1年生の9月には、子どもたちの読み書きの技能(スキル)には差がなくなっていたという結果が出ています。ですから、読み書きの技能はいずれ身についていくものととらえて、あまりこだわりすぎないことが大切です。むしろ幼児期に育ててほしいのは、言葉の持っているルールや仕組みのおもしろさへの関心です。日常生活や遊びと結びついた、ことばの理解の積み重ねが、将来の作文表現の豊かさや言葉の使い方などのセンスに直結するのです。

文字に関心を持ち始めた子どもは、先ず手紙を書きたがることが多いようです。子どもの作文能力を育てる最初の段階では、身近な大人が、子どもの話した言葉を口述筆記する(書き取ってあげる)といいでしょう。手紙を書くときも、先ずは口述筆記から始めたいものです。つまり、子どもが想像をふくらませて表現した言葉を、そのまま文章として定着させて、子ども自身にその内容を読み聞かせて確認することは、子どもにとっても楽しく、文字言語への深い興味を抱かせる経験となります。そして、そのような口述筆記(大人が書き取った文面)に加えて、子どもが絵を自由に描いて挿し絵にするのもよいですね。

さらに子ども自身が、字を書きたいと言い出したら、「どんな言葉を、書きたいの?」とたずねて、おうちのかたがそのお手本の文字を書いてあげて、子どもに文字を書かせてみるのもいいでしょう。もちろん、このときは、書く楽しみを中心にして、字の形の悪さなどは大目に見てください。子ども本人が書いた文字情報だけが手紙だと考えずに、子どもの話し言葉の豊かさ(口述筆記の文章)や、子どもの字への興味(名前のサインや、ひとこと)、絵で描いた表現等々をミックスして、手紙に盛り込むという発想を持って、子どものコミュニケーション世界をいきいきとしたものにしてあげましょう。

ひらがな・カタカナの読み書きや、言葉の理解のために、こんな工夫をしました

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