ことばの理解
「ひらがなが読めて書ける」のが目標! 自分の力で学んで自信をつけてほしいと思いました。
その当時の子どもの状況と私の気持ちはこうでした
まずは「ひらがなが読めて書ける」ようになるのが目標でした。カタカナについては、それができたうえでの、次の目標でした。私が子どものときは、年長のころにあいうえおが書かれた本を一人で読んで覚えたらしいので、子どもにもそれくらいできると思ったからです。あと、<こどもちゃれんじ>の教材を、自分で読めるようになって、問題の意味なども少しずつ分かってくると、自信につながるなとも思いました。<こどもちゃれんじ>の教材のこんなところが役に立ちました。
一番役に立ったのは「ひらがな・カタカナポスター」で、リビングに貼っておくとすごく重宝しました。子どもは書くことが好きだったので、広告の裏などによく字を書いていました。そこで、「『あ』ってどう書くの?って思ったときは、すぐに自分で表を見て、自分で確認してみてごらん」と言ってました。人に聞くより、自分で確かめたほうが絶対に頭に入りやすいと思ったからです。その後、子どもにはこんな変化が見られました。
やはり、気になったことは自分で調べて理解することが身についたように思います。そのおかげで、文字に対してもぐんぐん吸収してくれたように感じています。現在小学生なのですが、小学校の1年生の2学期あたりから漢字が出てきて、覚える数も増えていくので、それこそ一つ一つ親に聞いていては、なかなか前に進みません。多少時間はかかりますが、自分で調べて確認するという習慣がついていたので、子どもは自分で漢字のポスターを見ながら取り組んでいます。さらに家庭で工夫してみたことは・・・。
「字」を書くのを覚える際に、えんぴつの使い方に慣れるともっと楽に楽しめると思い、夏休みに大好きな迷路の本を購入しました。子ども向けの迷路の本は、ひらがなの曲線や直線を書くときのことを意識して作ってあるようですね。おかげで、小学校に入学して本格的なひらがなの書きの勉強が始まっても、スムーズにこなせたと思います。また、迷路をたくさんやることで、長時間えんぴつを持って書くということにも慣れたようで、小学生になった今でも、宿題が終わったら「チャレンジ1年生」をやっても特に疲れる様子はないようです。今振り返ってみて思うことは・・・。
小学校の入学説明会で、校長先生が「ひらがなやカタカナを早くからお子さんに教える方もいらっしゃいます。それ自体は構わないのですが、書き順やトメ、ハネなどに構わずに、ただ覚えることに重点を置いてしまうと、変なクセがついてしまいます」とおっしゃっていました。私も同感でした。<こどもちゃれんじ じゃんぷ>の「ひらがな・カタカナポスター」は正確なトメ、ハネがよくわかり、私もその点を意識しながら子どもに教えることができました。ただ早く覚えたり、書けたりすればいいのではなく、きちんと正しく書くことが大切だなと思っています。編集部から
ひらがなの書き方を楽しく学べる体験教材は、<こどもちゃれんじ すてっぷ>でお届けします。なぞりがきに何度も挑戦できるので、ひらがなが書けることを楽しく感じていただけます。ことばの理解
沢井 佳子 先生
就学前までには文字の読み書きができなければ・・・とお考えのおうちのかたは決して少なくないでしょう。
「文字」や「数」は、机に向かって「勉強」して初めて身につくものだという、一般的な認識が、私たち大人の中にあるからかもしれません。ところが、幼児は小さいうちから、言語や数の基礎概念をつくる課題に、自然に触れて学んでいるのです。「我が子には、思いやりのある子に育って欲しい」と誰もが思います。
そしてそのために、道徳的なお説教をしようと考えがちです。しかし、「相手の言っていることが理解できる」とか「相手の立場(視点)を想像できる」というのは、実は認知能力の発達に基づく「想像力」や「言語」の力があるからこそ可能だといえるのです。
「言葉」の理解は、社会性をはじめ様々な力を育む基礎になります。
例えば、Aちゃんのコップが割れて泣いているとします。「Aちゃんのコップが割れた」という事実と、「Aちゃんが泣いている」という事実から、「Aちゃんは自分のコップが割れて、悲しくて泣いているんだ」と関連づけて考えられるのは「因果関係」を理解しているからできることで、これは「論理」の基礎となります。
また、幼稚園で子どもたちの間でおもちゃのとりあいになることがよくあります。年少・年中のうちは、こうした「いざこざ」は頻繁に起きますし、仲裁には先生の力が必要です。それが、年長になってくると「いざこざ」の回数もぐんと減り、たとえ起こっても、自分たちで解決することができるようになります。
これは、まずお互いに相手の話している言葉が分かるという「言語」の力が発達してきたからという要因があります。更には、おもちゃを、Aちゃん、Bくん、Cくん、Aちゃんと使ったら次はBくんの番だという「系列(A→B→C→A→B→C→A→…)」の概念が理解できるようになり、「これが公平なんだ」と分かるようになったから…といえる場合も多いのです。そして、お互い言葉を使ってルールを決めて、理解し合い、自分達で解決するようになるのです。すなわち、言語や論理を理解する能力が、いざこざを減らし、思いやりや円滑な集団生活を支えているといえるのです。
「うちの子は思いやりがない」とか「人のおもちゃを取ってしまう」とご心配の方もいらっしゃるかもしれませんが、それはお子さんが、もともと人格の特性として思いやりがないわけでも、自分勝手なのでもなく、こうした「系列、順番という論理」を理解し、表現するための、認知的な力が発展途上だからといえます。このように日常生活にも、それらの認知的な概念は深い影響を与えているのです。
ある研究では、幼稚園年長組の時点で読み書きの習得状況に大きな差があった子どもたちも、小学校1年生の9月には、子どもたちの読み書きの技能(スキル)には差がなくなっていたという結果が出ています。ですから、読み書きの技能はいずれ身についていくものととらえて、あまりこだわりすぎないことが大切です。むしろ幼児期に育ててほしいのは、言葉の持っているルールや仕組みのおもしろさへの関心です。日常生活や遊びと結びついた、ことばの理解の積み重ねが、将来の作文表現の豊かさや言葉の使い方などのセンスに直結するのです。
文字に関心を持ち始めた子どもは、先ず手紙を書きたがることが多いようです。子どもの作文能力を育てる最初の段階では、身近な大人が、子どもの話した言葉を口述筆記する(書き取ってあげる)といいでしょう。手紙を書くときも、先ずは口述筆記から始めたいものです。つまり、子どもが想像をふくらませて表現した言葉を、そのまま文章として定着させて、子ども自身にその内容を読み聞かせて確認することは、子どもにとっても楽しく、文字言語への深い興味を抱かせる経験となります。そして、そのような口述筆記(大人が書き取った文面)に加えて、子どもが絵を自由に描いて挿し絵にするのもよいですね。
さらに子ども自身が、字を書きたいと言い出したら、「どんな言葉を、書きたいの?」とたずねて、おうちのかたがそのお手本の文字を書いてあげて、子どもに文字を書かせてみるのもいいでしょう。もちろん、このときは、書く楽しみを中心にして、字の形の悪さなどは大目に見てください。子ども本人が書いた文字情報だけが手紙だと考えずに、子どもの話し言葉の豊かさ(口述筆記の文章)や、子どもの字への興味(名前のサインや、ひとこと)、絵で描いた表現等々をミックスして、手紙に盛り込むという発想を持って、子どものコミュニケーション世界をいきいきとしたものにしてあげましょう。
ひらがな・カタカナの読み書きや、言葉の理解のために、こんな工夫をしました
- 遊んでいる中で自然と目に入るものを吸収していきました。
- 年長でひらがなの読みしかできない子ども。「小学校入学前に何とかひらがな、カ...
- 「ひらがなが読めて書ける」のが目標! 自分の力で学んで自信をつけてほしいと...
- 無理強いはせず、あくまでも本人がやりたくなった時に取り組ませるようにしてい...
- 子どもが話した言葉に補足をして質問することで、言い回しの勉強になりました。
- 文字の書いてあるものは、子どもの目につくところに置くようにしていました。
- お姉ちゃんとの「学校ごっこ」で文字や小学校への興味が出てきました。
- 間違いを指摘するのではなく、本人がもう一度書き直すことで気付かせるようにし...
- 読むことはできているのに書くことには関心がなかった子ども。本人が関心を持ち...
- 手紙のやりとりで、文字に対する興味や関心が増しました。
- 遊びの中で興味が持てる工夫をしました。
- 周りの年長のお友だちはひらがなの読み書きができましたが、うちの子は入学前ま...
- 兄に比べて文字に全く興味を示さない弟。入学までにひらがなを読めるようにと焦...
- 「分からないことは自分で調べる」ことを習慣づけました。
- 恐竜が大好きな息子は、恐竜の百科事典を読むことを通じて文字を覚えました!
- <こどもちゃれんじ>の教材などを使って一緒に遊んでいるうちに、文字に興味を...
- 字を書くということはコミュニケーションの一環。手紙のやりとりを通じて、字を...
- 「しまじろうが『何て書いてあるの』って聞いてるよ」という言葉がけが効果的で...
- 日常生活の中で遊びながら取り組んでいく、ということが理解への近道だと思いま...
- ワークブックで間違っていた場合にも、間違いが悪いことだと思わせないように意...
- 子どもの好きなことをきっかけにして、文字を覚えていけるように工夫しました。