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ことばの理解

ひらがなカタカナの読み書きや、言葉の理解のために、こんな工夫をしました

<こどもちゃれんじ>の教材などを使って一緒に遊んでいるうちに、文字に興味を持ち始めました。

S.Mさん Rくん (体験談当時の年齢:4歳4ヵ月頃〜5歳1ヵ月頃 男 第1子 東京都)

その当時の子どもの状況と私の気持ちはこうでした

周囲のお友だちがひらがなを覚えて名前を書いたり息子に手紙をくれたりする中、息子はあいうえおの「あ」の字も知らない状態でした。私の小さい頃は、小学校前に名前が書ければ十分でしたが、今はそれでは遅いような気がして私が焦る気持ちが強くなっていました。

<こどもちゃれんじ>の教材のこんなところが役に立ちました。

持ち運びに簡単な「ひらがな・カタカナマシーン」やワークブック、本紙などで楽しく取り組むことができました。最初は教材で好きに遊び、「文字を教えよう」とすると嫌がってあまり効果はありませんでした。そこで、子どもが興味を示しているところをみはからって、覚えさせようなどと思わずに、私も一緒に教材で遊んで「楽しい!」と思わせるところから始めてみました。そうしていく内に、少しずつ「これは“あ”なの?」などと聞いてくるようになりました。

その後、子どもにはこんな変化が見られました。

今もひらがなは覚えている途中で、名前もどうにか書けるくらいですが、教材を使って文字について親子で楽しむ時間が増えるにしたがって、子どもから文字についての質問も増えてきて、いつの間にかたどたどしいながらも一人で声を出しながら文字を読んでいる姿に驚きました。やはり、「興味を持って読みたい!書いてみたい!」という子どもの気持ちを引き出してあげることが大事だということに、子どもの姿を見て気づかされました。

さらに家庭で工夫してみたことは・・・。

「ひらがな・カタカナマシーン」を使って、自分の名前や家族の名前などを自分から押してみるようになったので、それも一緒に楽しむようになりました。

今振り返ってみて思うことは・・・。

私もそうでしたが、無理矢理教えたりするのではなく、まず興味を引き出してあげて、子ども自身に「やってみたい!」と思わせることが一番の近道のような気がします。さんざん横でブーブー言っていた頃よりも、今の方が自分から聞いてきたりやる気も出てきたように思います。教え込まされるのは、子どもも嫌ですよね。子どもの気持ちになってあげるといいと思います。

編集部より

<こどもちゃれんじ ほっぷ>でひらがなを楽しく認知できる体験教材を、<こどもちゃれんじ すてっぷ>では書き方を学ぶ体験教材と文章でやりとりができる体験教材をお届けしています。

ことばの理解

沢井 佳子 先生

就学前までには文字の読み書きができなければ・・・とお考えのおうちのかたは決して少なくないでしょう。
「文字」や「数」は、机に向かって「勉強」して初めて身につくものだという、一般的な認識が、私たち大人の中にあるからかもしれません。ところが、幼児は小さいうちから、言語や数の基礎概念をつくる課題に、自然に触れて学んでいるのです。「我が子には、思いやりのある子に育って欲しい」と誰もが思います。
そしてそのために、道徳的なお説教をしようと考えがちです。しかし、「相手の言っていることが理解できる」とか「相手の立場(視点)を想像できる」というのは、実は認知能力の発達に基づく「想像力」や「言語」の力があるからこそ可能だといえるのです。

「言葉」の理解は、社会性をはじめ様々な力を育む基礎になります。
例えば、Aちゃんのコップが割れて泣いているとします。「Aちゃんのコップが割れた」という事実と、「Aちゃんが泣いている」という事実から、「Aちゃんは自分のコップが割れて、悲しくて泣いているんだ」と関連づけて考えられるのは「因果関係」を理解しているからできることで、これは「論理」の基礎となります。
また、幼稚園で子どもたちの間でおもちゃのとりあいになることがよくあります。年少・年中のうちは、こうした「いざこざ」は頻繁に起きますし、仲裁には先生の力が必要です。それが、年長になってくると「いざこざ」の回数もぐんと減り、たとえ起こっても、自分たちで解決することができるようになります。

これは、まずお互いに相手の話している言葉が分かるという「言語」の力が発達してきたからという要因があります。更には、おもちゃを、Aちゃん、Bくん、Cくん、Aちゃんと使ったら次はBくんの番だという「系列(A→B→C→A→B→C→A→…)」の概念が理解できるようになり、「これが公平なんだ」と分かるようになったから…といえる場合も多いのです。そして、お互い言葉を使ってルールを決めて、理解し合い、自分達で解決するようになるのです。すなわち、言語や論理を理解する能力が、いざこざを減らし、思いやりや円滑な集団生活を支えているといえるのです。

「うちの子は思いやりがない」とか「人のおもちゃを取ってしまう」とご心配の方もいらっしゃるかもしれませんが、それはお子さんが、もともと人格の特性として思いやりがないわけでも、自分勝手なのでもなく、こうした「系列、順番という論理」を理解し、表現するための、認知的な力が発展途上だからといえます。このように日常生活にも、それらの認知的な概念は深い影響を与えているのです。

ある研究では、幼稚園年長組の時点で読み書きの習得状況に大きな差があった子どもたちも、小学校1年生の9月には、子どもたちの読み書きの技能(スキル)には差がなくなっていたという結果が出ています。ですから、読み書きの技能はいずれ身についていくものととらえて、あまりこだわりすぎないことが大切です。むしろ幼児期に育ててほしいのは、言葉の持っているルールや仕組みのおもしろさへの関心です。日常生活や遊びと結びついた、ことばの理解の積み重ねが、将来の作文表現の豊かさや言葉の使い方などのセンスに直結するのです。

文字に関心を持ち始めた子どもは、先ず手紙を書きたがることが多いようです。子どもの作文能力を育てる最初の段階では、身近な大人が、子どもの話した言葉を口述筆記する(書き取ってあげる)といいでしょう。手紙を書くときも、先ずは口述筆記から始めたいものです。つまり、子どもが想像をふくらませて表現した言葉を、そのまま文章として定着させて、子ども自身にその内容を読み聞かせて確認することは、子どもにとっても楽しく、文字言語への深い興味を抱かせる経験となります。そして、そのような口述筆記(大人が書き取った文面)に加えて、子どもが絵を自由に描いて挿し絵にするのもよいですね。

さらに子ども自身が、字を書きたいと言い出したら、「どんな言葉を、書きたいの?」とたずねて、おうちのかたがそのお手本の文字を書いてあげて、子どもに文字を書かせてみるのもいいでしょう。もちろん、このときは、書く楽しみを中心にして、字の形の悪さなどは大目に見てください。子ども本人が書いた文字情報だけが手紙だと考えずに、子どもの話し言葉の豊かさ(口述筆記の文章)や、子どもの字への興味(名前のサインや、ひとこと)、絵で描いた表現等々をミックスして、手紙に盛り込むという発想を持って、子どものコミュニケーション世界をいきいきとしたものにしてあげましょう。

ひらがな・カタカナの読み書きや、言葉の理解のために、こんな工夫をしました

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