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ことばの理解

ひらがなカタカナの読み書きや、言葉の理解のために、こんな工夫をしました

年長でひらがなの読みしかできない子ども。「小学校入学前に何とかひらがな、カタカナをマスターさせたい!」と思っていました。

M.Oさん Kくん (体験談当時の年齢:6歳2ヵ月頃〜6歳7ヵ月頃 男 第1子 大阪府)

その当時の子どもの状況と私の気持ちはこうでした

年長時にひらがなの読みは理解できていたようだったので、小学校入学前にカタカナの読みとひらがなを正確に書けるように(書き順と形)してあげたいと思っていました。小学校の授業のスタートはみな同じでも、ある程度字の読み書きができているほうが、子どもにとって楽だと思ったのです。

<こどもちゃれんじ>の教材のこんなところが役に立ちました。

「ひらがな・カタカナポスター」を、いつも子どもたちが遊ぶリビングの、ちょうど子どもの目の高さのところに貼りました。本を読むときやテレビに出てくる字で知りたい字があったときは、親に聞かずにポスターを見て確認し、覚えるようになりました。子どもも親に全て頼ってしまわずに自分で学習することを自然と覚えることができたと思います。ボイスレコーダーの体験教材は、自分の伝えたいことを限られた時間内に言う勉強になったと思います。はじめはすぐに録音が途切れて何度もやり直していましたが、そのうちに要点をつかんで話すことができるようになり驚きました。書くことを学ぶだけでなく、言いたいことを学ぶことも大事だなと思いました。

その後、子どもにはこんな変化が見られました。

毎日練習することで、子どもも徐々に自信をつけたようでした。以前は書き直しをするだけで不機嫌になっていましたが、小学校入学が近づき、ピカピカの1年生の本で上手に書けないと恥ずかしいと思うこともあったようです。少しずつ子どもも精神的に大人になってきたのか、自分が納得できる字が書けるまで、がんばって書くようになってきました。今、小学校でドリルやプリント類を毎日やっているのですが、<こどもちゃれんじ>を長くやっていたおかげか、自分一人でやることに抵抗なく取り組めているようです。また、文章の読解力が優れているように思います。<こどもちゃれんじ すてっぷ><こどもちゃれんじ じゃんぷ>と、いずれもまずは自分で読んで取り組ませていたので、長い文章や難しい文章も理解する力が少しずつ身についていたんだとうれしく思いました。

さらに家庭で工夫してみたことは・・・。

入学直前の春休みに書きかた用のノートを購入し、毎日私がお手本を書いて、数字とひらがなの練習をしました。4歳の弟も一緒に練習させたのが子どものやる気を高めたのか、ほめられるのがうれしくて、楽しみながら練習していました。

今振り返ってみて思うことは・・・。

「小学校入学前までに子どもにカタカナとひらがなをマスターさせたい!」と意気込んでいましたが、そんなに気負いすぎなくても学校ではゆっくりと進んでいってくれるので、親もそんなに焦る必要はなかったなと思っています。学校側も、「入学した時点でひらがなやカタカナはまだうまく読んだり書いたりできない」という前提で学習していくので、それぞれの子どもに合ったペースで進めていけばよいのではないかと思います。親が焦って子どもにプレッシャーやストレスを与えてしまわないほうが、その子の今後の学習態度や学習意欲をよいほうに伸ばしてあげられると思いますよ。

編集部から

<こどもちゃれんじ じゃんぷ>では、カタカナなどが楽しく学べる<キッズワーク>をお届けしています。カタカナの字形認識から書き方までを段階を追って学んでいただけます。

ことばの理解

沢井 佳子 先生

就学前までには文字の読み書きができなければ・・・とお考えのおうちのかたは決して少なくないでしょう。
「文字」や「数」は、机に向かって「勉強」して初めて身につくものだという、一般的な認識が、私たち大人の中にあるからかもしれません。ところが、幼児は小さいうちから、言語や数の基礎概念をつくる課題に、自然に触れて学んでいるのです。「我が子には、思いやりのある子に育って欲しい」と誰もが思います。
そしてそのために、道徳的なお説教をしようと考えがちです。しかし、「相手の言っていることが理解できる」とか「相手の立場(視点)を想像できる」というのは、実は認知能力の発達に基づく「想像力」や「言語」の力があるからこそ可能だといえるのです。

「言葉」の理解は、社会性をはじめ様々な力を育む基礎になります。
例えば、Aちゃんのコップが割れて泣いているとします。「Aちゃんのコップが割れた」という事実と、「Aちゃんが泣いている」という事実から、「Aちゃんは自分のコップが割れて、悲しくて泣いているんだ」と関連づけて考えられるのは「因果関係」を理解しているからできることで、これは「論理」の基礎となります。
また、幼稚園で子どもたちの間でおもちゃのとりあいになることがよくあります。年少・年中のうちは、こうした「いざこざ」は頻繁に起きますし、仲裁には先生の力が必要です。それが、年長になってくると「いざこざ」の回数もぐんと減り、たとえ起こっても、自分たちで解決することができるようになります。

これは、まずお互いに相手の話している言葉が分かるという「言語」の力が発達してきたからという要因があります。更には、おもちゃを、Aちゃん、Bくん、Cくん、Aちゃんと使ったら次はBくんの番だという「系列(A→B→C→A→B→C→A→…)」の概念が理解できるようになり、「これが公平なんだ」と分かるようになったから…といえる場合も多いのです。そして、お互い言葉を使ってルールを決めて、理解し合い、自分達で解決するようになるのです。すなわち、言語や論理を理解する能力が、いざこざを減らし、思いやりや円滑な集団生活を支えているといえるのです。

「うちの子は思いやりがない」とか「人のおもちゃを取ってしまう」とご心配の方もいらっしゃるかもしれませんが、それはお子さんが、もともと人格の特性として思いやりがないわけでも、自分勝手なのでもなく、こうした「系列、順番という論理」を理解し、表現するための、認知的な力が発展途上だからといえます。このように日常生活にも、それらの認知的な概念は深い影響を与えているのです。

ある研究では、幼稚園年長組の時点で読み書きの習得状況に大きな差があった子どもたちも、小学校1年生の9月には、子どもたちの読み書きの技能(スキル)には差がなくなっていたという結果が出ています。ですから、読み書きの技能はいずれ身についていくものととらえて、あまりこだわりすぎないことが大切です。むしろ幼児期に育ててほしいのは、言葉の持っているルールや仕組みのおもしろさへの関心です。日常生活や遊びと結びついた、ことばの理解の積み重ねが、将来の作文表現の豊かさや言葉の使い方などのセンスに直結するのです。

文字に関心を持ち始めた子どもは、先ず手紙を書きたがることが多いようです。子どもの作文能力を育てる最初の段階では、身近な大人が、子どもの話した言葉を口述筆記する(書き取ってあげる)といいでしょう。手紙を書くときも、先ずは口述筆記から始めたいものです。つまり、子どもが想像をふくらませて表現した言葉を、そのまま文章として定着させて、子ども自身にその内容を読み聞かせて確認することは、子どもにとっても楽しく、文字言語への深い興味を抱かせる経験となります。そして、そのような口述筆記(大人が書き取った文面)に加えて、子どもが絵を自由に描いて挿し絵にするのもよいですね。

さらに子ども自身が、字を書きたいと言い出したら、「どんな言葉を、書きたいの?」とたずねて、おうちのかたがそのお手本の文字を書いてあげて、子どもに文字を書かせてみるのもいいでしょう。もちろん、このときは、書く楽しみを中心にして、字の形の悪さなどは大目に見てください。子ども本人が書いた文字情報だけが手紙だと考えずに、子どもの話し言葉の豊かさ(口述筆記の文章)や、子どもの字への興味(名前のサインや、ひとこと)、絵で描いた表現等々をミックスして、手紙に盛り込むという発想を持って、子どものコミュニケーション世界をいきいきとしたものにしてあげましょう。

ひらがな・カタカナの読み書きや、言葉の理解のために、こんな工夫をしました

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