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数の理解

時計に親しむために、こんな工夫をしました

1日10問。毎日時計の読み方を、根気よく続けました。

A.Kさん Yくん (体験談当時の年齢:6歳0ヵ月頃〜6歳2ヵ月頃 男 第2子 東京都)

その当時の子どもの状況と私の気持ちはこうでした

小学校に入学すると、親と離れて学校ですごす時間が長くなることや、またお友だちとは親を通さないで遊びの約束をするような関係になることが予想されたので、小学校入学前に何とか時計が読めるようになってくれれば時間の感覚がわかるようになるだろう、と思っていました。が、実際には、長い針がここまできたら、というような理解しかしていませんでした。

<こどもちゃれんじ じゃんぷ>講座の教材はこんなふうに活用。こんな働きかけをしてみました。

時計について、このくらいの年齢の子がどの程度理解できるものなのか、どのように教えていけばいいのか、どのように教えると理解しやすいのかということが手探りの状態だったので、<こどもちゃれんじ>を参考にしながら取り組みました。最初は「長い針がここまできたら・・・」という程度の理解でした。時計に関して書かれていたワークブックに、しまじろうが朝起きて朝食を食べ、通園するという時間帯が、子どもの生活と同じような時間帯だったので、時間についての興味が広がったようで、「しまじろうと一緒だね」というようになりました。教材が、子どもの生活に深く結びついた楽しい感じのものだったので、これにより時計に対する興味を持たせられたように思います。

さらに家庭で工夫してみたことは・・・。

自分専用の時計を与えて(目覚まし時計のような手にのせられるかわいいもの)、ひと通り時計の読み方を教えた後、1日10問と決めて、時計の読み方の問題を出し、やさしいものから始めて(10時、2時半など)、だんだん難しくしていって(4時35分など)練習していきました。子どもができないと親のほうが焦ったり子ども自身もがっかりしてしまうので、1日に10問と決めて問題を出しました。「今日は10問中3問」、「次の日は10問中5問」と、時には後戻りすることもあったのですが、根気よく教えていくと、最後のほうは子どもも楽しみにしていて、全部できるようになりました。とにかく1日10問やると決めて約束し、私のほうでも、もう2,3問やって確認したいなと心の中で思った時でも、約束だから10問で終わり、という一貫した態度で、続けました。

小学生になって、子どもの様子はこんな感じです。

入学前にちょうどそのころ<チャレンジ1年生>から継続予約のお祝いに、コラショ(<チャレンジ1年生>のキャラクター)の時計を頂きました。それがいいご褒美にもなり、自分だけの時計を持つことで自信にもつながって、まさにタイムリーなプレゼントでした。それを有効活用し、常に生活の中に時間を意識させるように、忘れないように気を付けていました。できるようになった時、「毎日続けてがんばったからだね」、と続けたからこそできたことも教えました。親はもうちょっと、と欲が出てもっと取り組ませてしまいたくなってしまうことがあるかもしれませんが、そこはこらえて子どもとの約束を優先してくださいね。

編集部から

小学校に入学すると時間を意識する機会が増えてきます。正時や半時の読みや、早い・遅いという概念が分かるようになると、より自分の生活と時間のつながりを意識しながら楽しく生活したり、自分の生活の予定を考えたりできるようになるという考えから、<こどもちゃれんじ じゃんぷ>では年間を通じて時計に関する内容をお届けしていきます(とけいについては、<すてっぷ>で取り上げていきます)。

数の理解

沢井 佳子 先生

100まで数えられることよりも、10までの順序数・集合数の概念が理解できることが今後の力につながります。

数量(数)について就学前までに固めてほしい土台は、100までの数を「言える」ことよりも、たとえそれが10までの数であっても、ものの順番をあらわす「順序数」と、ものを順番に数えたとき、その最後の数が全体の個数を表すという「集合数」の概念を理解していることです。10までの自然数のしくみ・・・という土台の部分をきちんと理解できるようになると、それは後で、あつかう数が100になっても1000になっても、同じ自然数として応用していくことができるのです。

年長児の場合、100までの数唱ができる(数の名前が言える)ということは、珍しいことではないかもしれません。しかし、そうした数唱ができる子どもが、実際、100まで、あるいは10までの数の概念をしっかりと持っているかといえば、必ずしもそうではありません。お子さんが単に数字を覚えているだけなのか、数の概念を理解できているのか、お子さんの様子から確かめてあげてください。

おはじきを20個ぐらい準備して、そのうち、8個をテーブルの上に横一列に並べます。「ここのおはじきは、いくつあるかな?数えてみて」とたずねると、子どもは「1、2、3、4・・・8」と数えて(順序数)、「全部で8個」(集合数)という答えを出すでしょう。ただ、場合によって、順番に「1、2、3、4・・・8」まで数えたものの、最後の8という数が全体の個数を表すという「集合数」の概念が理解できず、「全部でいくつ?」と聞くと「10個!」や「9個!」などと違う数を答える場合もあるのです。

また、おはじきを手前に8個一列、外側に8個一列を並べて、手前は不揃いに密集させて並べ、外側のほうのおはじきは幅を広げて一列に並べます。そして、「(指でさし示しながら)手前のおはじきと、外側のおはじきでは、どっちの数が多いかな?」と子どもにたずねてみます。もし「同じ」と答えたら、「おはじぎが広がっていようが、詰めて置いていようが、おはじき8個に変わりはなくて、同じ数だ(「数の保存」の概念)」と理解できていることになります。しかし、この「数の保存」の概念を理解する前の段階では、「個数」と「長さ」や「密度」などを混同して、広がったほうのおはじきの数が多いとか、ビシッと詰まって並んだおはじきのほうが多いなどと答えがちです。もしこの「数の保存」の概念がまだ理解できていない段階でしたら、手前のおはじきと、外側のおはじきを一個ずつくっつけていって(1対1対応)、同じ数であることを、繰り返し、動作で確認することが大切です。

実際に何か物を使って、手で動かしながら、実験的に考えることが理解を深める近道となります。物を並べ替えたり、仲間に分類したりする動作の中で、手の感覚や視覚を使って、子どもは概念を実感的に理解するようになります。「数というからには数字を使って覚えさせなければ」と、とらわれずに、ぜひ身近な材料(おはじき、みかん、いちご・・・)を使って、おうちのかたも一緒に、「ものを使った数の遊び」を楽しんでください。

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