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数の理解

数の読み書きや、数の理解のために、こんな工夫をしました

親が助け舟を出しながら、少しずつ続けていくとポイントを理解するようになりました。

E.Iさん Yくん (体験談当時の年齢:5歳9ヵ月頃 男 第2子 千葉県)

その当時の子どもの状況と私の気持ちはこうでした

以前、文字を覚えて欲しくてドリルを買い与えたことがあったのですが、全くとりくみませんでした。やはりまず興味がないとだめなのだと思い、ちょうどそのころ夢中になっていたテレビのキャラクターがあったので、数もそれに関連づけていこうと考えました。何より無理なくやらせてあげたいと思っていました。

<こどもちゃれんじ>の教材のこんなところが役に立ちました。

<こどもちゃれんじ>のワークは、シールを貼ったりして楽しみながらできるものが多く、教える側も楽しみながらできました。数に関しても、身近なテーマを題材に自然に興味を引き出して、「勉強」という形ではなく学んでいけました。例えば、同じ数を線で結んだり、ある数を○個と△個に分けたりといった問題で、初めは親が助け舟を出しますが、少しずつでも続けていくとあるきっかけで本人自身がそのポイントを理解し、納得していたように感じています。それができると、一人でどんどんできるようになりますが、その瞬間には思いっきり本人をほめました。自分の力で理解できたときの喜びは代えがたいものがあります。きちんと理解しているか試すため、「ケーキが5個ありました。○○(好きなキャラクター)が3個食べたいといっています。Yはいくつ食べる?」と質問したりしました。そんなわが子を見ていると自分まで嬉しくなります。単なる親バカかもしれませんが・・・。

その後、子どもにはこんな変化が見られました。

ワークブックは色々工夫がされていてきちんと子どもが読めばわかるようにできています。そのことに子ども自身が気がつくと、面白くなるようですね。取り組んでいる子どもの様子からもはっきりと分かるようになりました。

さらに家庭で工夫してみたことは・・・。

数に触れる機会って家庭の中にいっぱいあるんです。きょうだいが3人いましたので「3等分にして」とお菓子の配分をYにお願いしたり、「おにいちゃんが3個食べたから、残りを2人で分けて」などとお手伝いをお願いしていました。また、わが家では就寝前に絵本の読み聞かせをしており、その中で自然に文字や数に触れていったと思います。
数なら「鳥が1羽・あめが2個・ぞうさんが3頭・靴が4足・・・」というように動物等の絵がその数のぶんだけ書かれている絵本があったのですが、1〜10までの順番や、1〜10になるにつれてものの量が多くなっていくことも絵本をめくっていく中で自然に感じていたと思います。その絵本は「同じ1でも“羽”だったり“頭”だったり、違う単位」があることもなんとなく感じさせることができたのでよかったです。これについてもYの好きなキャラクターや好きなものを出しながら、その度に質問をするようにしました。この質問で初めて理解しているかしていないか、どこを難しいと感じているかがわかりました。読みっぱなしや教えっぱなしはだめだと実感しています。

今振り返ってみて思うことは・・・。

どんなことでも先ずやってみるような興味をなくさないでいて欲しいと思います。失敗しながらでも確実に何かが残っていくと信じています。勉強ができるというのはただ単に頭が良いというものではなく、周りのことも考える力のある子どもなのだと思うのです。

数の理解

沢井 佳子 先生

100まで数えられることよりも、10までの順序数・集合数の概念が理解できることが今後の力につながります。

数量(数)について就学前までに固めてほしい土台は、100までの数を「言える」ことよりも、たとえそれが10までの数であっても、ものの順番をあらわす「順序数」と、ものを順番に数えたとき、その最後の数が全体の個数を表すという「集合数」の概念を理解していることです。10までの自然数のしくみ・・・という土台の部分をきちんと理解できるようになると、それは後で、あつかう数が100になっても1000になっても、同じ自然数として応用していくことができるのです。

年長児の場合、100までの数唱ができる(数の名前が言える)ということは、珍しいことではないかもしれません。しかし、そうした数唱ができる子どもが、実際、100まで、あるいは10までの数の概念をしっかりと持っているかといえば、必ずしもそうではありません。お子さんが単に数字を覚えているだけなのか、数の概念を理解できているのか、お子さんの様子から確かめてあげてください。

おはじきを20個ぐらい準備して、そのうち、8個をテーブルの上に横一列に並べます。「ここのおはじきは、いくつあるかな?数えてみて」とたずねると、子どもは「1、2、3、4・・・8」と数えて(順序数)、「全部で8個」(集合数)という答えを出すでしょう。ただ、場合によって、順番に「1、2、3、4・・・8」まで数えたものの、最後の8という数が全体の個数を表すという「集合数」の概念が理解できず、「全部でいくつ?」と聞くと「10個!」や「9個!」などと違う数を答える場合もあるのです。

また、おはじきを手前に8個一列、外側に8個一列を並べて、手前は不揃いに密集させて並べ、外側のほうのおはじきは幅を広げて一列に並べます。そして、「(指でさし示しながら)手前のおはじきと、外側のおはじきでは、どっちの数が多いかな?」と子どもにたずねてみます。もし「同じ」と答えたら、「おはじぎが広がっていようが、詰めて置いていようが、おはじき8個に変わりはなくて、同じ数だ(「数の保存」の概念)」と理解できていることになります。しかし、この「数の保存」の概念を理解する前の段階では、「個数」と「長さ」や「密度」などを混同して、広がったほうのおはじきの数が多いとか、ビシッと詰まって並んだおはじきのほうが多いなどと答えがちです。もしこの「数の保存」の概念がまだ理解できていない段階でしたら、手前のおはじきと、外側のおはじきを一個ずつくっつけていって(1対1対応)、同じ数であることを、繰り返し、動作で確認することが大切です。

実際に何か物を使って、手で動かしながら、実験的に考えることが理解を深める近道となります。物を並べ替えたり、仲間に分類したりする動作の中で、手の感覚や視覚を使って、子どもは概念を実感的に理解するようになります。「数というからには数字を使って覚えさせなければ」と、とらわれずに、ぜひ身近な材料(おはじき、みかん、いちご・・・)を使って、おうちのかたも一緒に、「ものを使った数の遊び」を楽しんでください。

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