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数の理解

数の読み書きや、数の理解のために、こんな工夫をしました

自然と数に興味を持ち始めた娘の数遊びに、とことん付き合おうと思いました。

M.Kさん Mちゃん (体験談当時の年齢:5歳8ヵ月頃〜6歳8ヵ月頃 女 第1子 大阪府)

その当時の子どもの状況と私の気持ちはこうでした

数は生活と切り離せないものなので、娘は、ごく自然に数や数字に興味を持ち始めていました。もちろん本人に勉強とか算数という観念はなく、ごく身近なものとして、数に対する興味を持っていました。私自身、「何事も始まりは遊びから」をモットーにしているので、娘の数遊びにも面倒くさがらずに付き合おうと思っていました。

<こどもちゃれんじ>の教材のこんなところが役に立ちました。

年間を通じてのワークブックです。とにかく遊びながら数に取り組めたこと、また親の私にとっても子どもへの数の取り組ませ方のヒントにもなったことがよかった点です。

その後、子どもにはこんな変化が見られました。

年長のころの娘は、100までの数をお風呂で数えたり、紙に書いたりしていました。ただそれは数を理解しているというより、歌や記号を覚えるのと同じようなものです。でも、理論は後からいくらでもついてくるものだと思ったので、そのまま娘の気持ちを尊重し、好きならやらせておこうと思いました。今から思うと、当時がむしゃらに数遊びをしていたことが、今、役に立っているのではないかと思います。そのように、数に関しては頭で考えるよりも感覚としてしみついたものがあるようで、小学校でかなり大きな数について習っていますが、スムーズに理解しているようです。

さらに家庭で工夫してみたことは・・・。

娘が数に興味を持った当初は、一緒に数で遊ぶ程度でしたが、娘のやる気を大切にしたいと思い、小学校に入学する前のワンステップとして算数のドリルを与えました。本人は遊びの延長として取り組みながらも、数のしくみがうっすらとわかってきたのではないかと思います。また、数字をマス目に丁寧に書く練習をしたことで、数字もきれいに書けるようになりました。自然と学習習慣もついたようで、小学校の勉強への橋渡しになったようです。

今振り返ってみて思うことは・・・。

子どもは好奇心のかたまりですね。大人は勉強と遊びを分けて考えがちですが、子どもにとって、その境界線はあいまいだと思うのです。言い換えれば、何だって遊びにしてしまい、何だって楽しいと思えるのが、子どもの強みです。そんな強みを活かして、親子で楽しみながら数に触れ、子どもの好奇心を満たしてあげるのがいいと思います。そんな時間が将来の勉強につながっていくのではないでしょうか。こんな自然な流れを作ってあげることも、算数が好きになる第一歩になると思います。親の私たちも楽しみながら、親子で遊び学びましょう!

数の理解

沢井 佳子 先生

100まで数えられることよりも、10までの順序数・集合数の概念が理解できることが今後の力につながります。

数量(数)について就学前までに固めてほしい土台は、100までの数を「言える」ことよりも、たとえそれが10までの数であっても、ものの順番をあらわす「順序数」と、ものを順番に数えたとき、その最後の数が全体の個数を表すという「集合数」の概念を理解していることです。10までの自然数のしくみ・・・という土台の部分をきちんと理解できるようになると、それは後で、あつかう数が100になっても1000になっても、同じ自然数として応用していくことができるのです。

年長児の場合、100までの数唱ができる(数の名前が言える)ということは、珍しいことではないかもしれません。しかし、そうした数唱ができる子どもが、実際、100まで、あるいは10までの数の概念をしっかりと持っているかといえば、必ずしもそうではありません。お子さんが単に数字を覚えているだけなのか、数の概念を理解できているのか、お子さんの様子から確かめてあげてください。

おはじきを20個ぐらい準備して、そのうち、8個をテーブルの上に横一列に並べます。「ここのおはじきは、いくつあるかな?数えてみて」とたずねると、子どもは「1、2、3、4・・・8」と数えて(順序数)、「全部で8個」(集合数)という答えを出すでしょう。ただ、場合によって、順番に「1、2、3、4・・・8」まで数えたものの、最後の8という数が全体の個数を表すという「集合数」の概念が理解できず、「全部でいくつ?」と聞くと「10個!」や「9個!」などと違う数を答える場合もあるのです。

また、おはじきを手前に8個一列、外側に8個一列を並べて、手前は不揃いに密集させて並べ、外側のほうのおはじきは幅を広げて一列に並べます。そして、「(指でさし示しながら)手前のおはじきと、外側のおはじきでは、どっちの数が多いかな?」と子どもにたずねてみます。もし「同じ」と答えたら、「おはじぎが広がっていようが、詰めて置いていようが、おはじき8個に変わりはなくて、同じ数だ(「数の保存」の概念)」と理解できていることになります。しかし、この「数の保存」の概念を理解する前の段階では、「個数」と「長さ」や「密度」などを混同して、広がったほうのおはじきの数が多いとか、ビシッと詰まって並んだおはじきのほうが多いなどと答えがちです。もしこの「数の保存」の概念がまだ理解できていない段階でしたら、手前のおはじきと、外側のおはじきを一個ずつくっつけていって(1対1対応)、同じ数であることを、繰り返し、動作で確認することが大切です。

実際に何か物を使って、手で動かしながら、実験的に考えることが理解を深める近道となります。物を並べ替えたり、仲間に分類したりする動作の中で、手の感覚や視覚を使って、子どもは概念を実感的に理解するようになります。「数というからには数字を使って覚えさせなければ」と、とらわれずに、ぜひ身近な材料(おはじき、みかん、いちご・・・)を使って、おうちのかたも一緒に、「ものを使った数の遊び」を楽しんでください。

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