保護者の悩みの種「お片づけ」、できる子とできない子の違いは?
保護者がお子さまのことで最も悩むのはどんなことでしょう?
成績、友だち関係、子どもの成長……そんな様々な気がかりはあるものの、子どもが中高生になっても保護者の方が悩み続けているのが「お片づけ」についてだということが、東京大学社会科学研究所とベネッセ教育総合研究所の共同調査でわかりました。
保護者の皆さんならば、「お片づけ」がお子さまの成長や成績とどのような関係があるか、気になるところでしょう。そこで、東京大学社会科学研究所・ベネッセ教育総合研究所の調査結果から、「お片づけ」に関する実態をお伝えします。
お子さんの「お片づけ」は保護者の永遠の悩み
「子どもの成長に応じて、保護者の悩みは変わるもの」と思いきや、ずっと変わらぬ悩みの種もあるようです。
【表1】で学校段階別(3学年別)に保護者の悩みを見たところ、全ての学校段階で「整理整頓・片づけ」が1位になっています。
【表1】学校段階別(3学年別)に見る保護者の悩みや気がかり
※複数回答。全学年、および3学年ごとに、比率が高かった5項目を示している。
もちろん、小学校低学年では出したおもちゃが片づけられない、中・高校生になると自分の部屋が片づけられていないなど、求める片づけの内容の違いはあるでしょうが、「整理整頓・片づけ」は学年が上がっても不動の保護者の悩みなのです。
お片づけができる子は自立的?
続いて、“お片づけができるかどうか”と学習の自主性がどう関係しているのかを確認してみましょう。
【図1】からは、整理整頓ができている子は、整理整頓ができない子に比べて、「人に言われなくても自分から勉強する」傾向が強いことがわかります。
【図1】お片づけと学習の自主性との関連(中学生)
※「整理整頓する」は、ふだん「身の回りを整理整頓しないこと」が「あまりない」「まったくない」と回答した子ども、「整理整頓しない」は、「よくある」「ときどきある」と回答した子ども。
お片づけができる力は、自主的に学習する力などにもつながっているということが言えそうです。
気になる! お子さまのお片づけと成績の関係性は?
お片づけと学習の自主性との関連だけでなく、成績との関係性も見てみましょう。【図2】からは、整理整頓できる子どもの4割近くが成績上位層であることがわかりました。逆に、整理整頓しない子は4割以上が成績下位層に甘んじています。
【図2】お片づけと成績の関連(小学1〜3年生)
※保護者の回答である。
※「整理整頓する」は、ふだん子どもは「身の回りを整理整頓しないこと」が「あまりない」「まったくない」と回答した保護者、「整理整頓しない」は、「よくある」「ときどきある」と回答した保護者。
成績とも大きく関わるお片づけ。整理整頓の習慣が頭の中の整理につながり、論理的思考ができるようになっているのかもしれませんね。また、身の回りがきれいに片づいていることで、効率的に勉強することができているとも予測できます。
お片づけの習慣をつけるのは、なかなか難しいものですが、きれいに片づいた環境で過ごすことができると気持ちがよいものですね。
親子で過ごす時間に、楽しみながらお片付けを習慣化していけるとよいですね。
出典:
・東京大学社会科学研究所・ベネッセ教育総合研究所「子どもの生活と学びに関する親子調査2015」(2015年7~8月実施)、「子どもの生活と学びに関する親子調査2016」(2016年7~8月実施)
http://berd.benesse.jp/shotouchutou/research/detail1.php?id=4848
http://berd.benesse.jp/shotouchutou/research/detail1.php?id=5095