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総合監修:二瓶 健次 先生
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生活・健康・安全アドバイス - 事故予防・安全対策
左おでこを柱に強打し、すぐに冷やしましたが、たんこぶができて日に日に色が濃くなり、目から鼻にかけて青たんのようになりました。このままほうっておいても大丈夫でしょうか?
5日前の朝、左おでこを柱に強打しました。すぐに冷やし、その日1日は冷却シートを強打した箇所に当てていたのですが、日に日に色が濃くなり、おでこはたんこぶができたまま、目から鼻にかけては、青たんのように血がおりた感じです。
強打したおでこのたんこぶはもちろん心配ですが、まぶたも青くなっているので、目に異常がないかとても心配です。このままほうっておいても大丈夫でしょうか? またかかるとしたら、何科を受診したらよいのでしょうか?
皮下出血は、時間がたって自然に引いてくるのを待つほかはありませんが、眼窩(がんか)骨折がなかったかどうかが心配です。一度眼科を受診してみてください。
左のおでこを柱に強打し、すぐに冷やしたけれども、日に日に青たんのような色が濃くなってきたということですから、額からその下の左まぶたにかけて広い範囲に皮下出血を生じたものと思われます。
皮下出血というのは、皮膚の深いところの血管が切れて、皮膚の組織の間に出血が起こったもので、細胞と細胞のすき間に血がたまるわけなので全体に皮膚がはれてたんこぶのようになりますし、血液の色が皮膚を通して見え、まず赤紫色〜青色になり、その後次第に茶色〜褐色調、その後黄色っぽくなって消えていきます。
特に顔面の場合は血管が豊富なうえに皮膚の厚みが薄いため、皮下出血は広範囲になる傾向があります。また、強打したとき、出血とともに炎症を起こし、浮腫(ふしゅ:血管の透過性が高まって、血液の液体成分が血管外にもれ出て、周囲の組織が水っぽくはれること)をきたすので、打った直後のたんこぶは余計に大きなものとなります。
この浮腫も出血も、時間がたつにつれ、血管から出てきた白血球やリンパ球、組織球などに処理され、血管の透過性(もれやすさ)も元通りになるため、はれやたんこぶも引いていき、青たんの色も薄くなっていくのです。
青たんの色が完全に消失するまでには普通2週間、長くて1ヵ月くらいかかることもあります。
心配なのは、場所的に眼窩(眼球の周りを囲んでいる、おわんのような骨のくぼみ)の骨折がなかったかどうかということです。
数日してもまだ、まゆ毛あたりをさわってみてとても痛がるようだったら、一度眼科を受診してみてください。