子どもの肥満が心配!予防のために気をつけたいこととは
子どもの肥満が増えているそうです。肥満といえば、生活習慣病。子どもといえども肥満になれば脂質異常症、動脈硬化、高血圧などが心配になります。そんな子どもの肥満、多くの場合、原因は親にあるとも言われています。子どもを肥満にしないように、子どもの生活環境を見直しましょう。どんなところを見直せばいいのでしょうか。
肥満の原因は生活習慣から!?
子どもの肥満の原因で多いのは、遺伝や体質。そんな要素に食生活や運動不足、生活習慣などの要因が加わって肥満となります。
食べた分、しっかり動いてカロリーを消費できるといいのですが、屋内でじっとゲームをしたり、動画などを見ていては、カロリー消費ができそうにもありませんね。
また、塾通いや、親の生活スタイルに合わせた生活時間をおくることで睡眠不足の子どもが多いと言われている現代。実は、睡眠不足も肥満の原因になるのだとか。睡眠不足は、代謝ホルモンのバランスを崩したり、疲れやすくなることで、運動不足を招き、それが肥満につながります。また子どもの睡眠不足は成長ホルモンの分泌にも関係しており、子どもの身長の伸びが悪くなることもあり、健康な体づくりのためにも睡眠はしっかりとるように心がけてあげたいものですね。
「うちの子はちょっと肥満かも」「学校の身体検査で肥満と言われた」というかたは、肥満の原因を追究するのに、まずはいちばん多い原因である食生活、運動不足、生活習慣をチェックしてみましょう。
子どもの肥満は生活習慣病などに直結する可能性
子どもの肥満は、通常病気に直結するものではないと言われてきました。しかし、最近の子どもの肥満の傾向として、子どもにも生活習慣病が増えてきています。これまで子どもの肥満は、病気に直結しないと思っていたかたも多いのでは。子どもとはいえ、肥満は健康の敵。早いうちから肥満にならないように気をつけることが健康な体づくりには大事なのですね。
また、子どもが肥満になると、運動能力にも支障が出てきます。走ったり、跳んだりする持久力を必要とする動きが鈍くなるのです。太っていることで、筋肉や骨に過剰な負担がかかるので、ケガをしやすくなることも。
肥満は、いじめの対象になる場合もあります。それは不登校の引き金にもなりかねません。
健康的な暮らしを心がけること
子育て中の家族は、健康的な暮らしに気をつけていると思います。でも肥満が気になる場合、もう少し気を配ってみるといいかもしれませんね。
・食事は栄養を考えてバランスよく
成長期の子どもにバランスのとれた栄養は欠かせません。バターやマヨネーズなどは、つけすぎないようにするなど、エネルギーを過剰に摂取しないように気をつけたいもの。 魚・肉・卵・豆腐などのたんぱく質を偏りなく食べて、たっぷりの野菜でビタミンやミネラルを補いましょう。
・ゴロゴロさせない
ゲームやテレビが好きな子どもは多いのですが、体を動かすように心がけましょう。家の中ではお手伝いをしたり、正しい姿勢で座ることだけでもエネルギーは消費できるようですよ。
・寝る前は食べさせない、早めに就寝させる
親の時間に合わせて生活をしていると、食事の時間や就寝時間が遅くなることが多くなります。子どもの成長にとって睡眠時間と眠りの深さがとても大切です。就寝前におやつを食べると血糖値が上がり、成長ホルモンの分泌を妨げるので気をつけましょう。
肥満を予防するだけでなく、健康的な生活のためにもよい生活習慣が身につくように気をつかってあげたいですね。子どもは食事や運動など、まだ自分でコントロールができないので、保護者がしっかり管理してあげたいものです。
監修:岡本夏子
管理栄養士。なごやかこどもクリニック、非常勤。月1回の糖尿病・肥満外来で、栄養食事相談を担当。総合病院で学んだ栄養ケア・マネジメント力を活かして、よりよい栄養相談が出来るように努めています。
なごやかこどもクリニック
http://www.nagoyaka-child.net/