出願以降の過ごし方 受験直前、この時期をどう過ごすか [高校受験]

■極力普段どおりに

 出願が終わると、いよいよということで、だんだん緊張が高まってくると思いますが、この時期は極力普通に過ごすことが大事です。気分転換が必要だからといって、映画を見に行ったりする人がたまにいますが、そんな特別なことをすると、余計にプレッシャーがかかるものです。普段と違う特別なことはしない--これがこの時期の過ごし方のポイントです。
 また、この時期は風邪をひくことが怖いですし、今年はノロウィルスが流行していますから、本人だけでなく、家族全員で必要のない外出を避けるようにしてください。手洗い、うがいなど、家族がそろって協力することが大切です。

■別のルートの確認

 近年、大都市圏ではJRと私鉄の相互乗り入れが増えています。そのため、どこかでのちょっとした事故、車両点検等での運休、遅延が起きたりします。試験当日、予定していた交通手段が止まるようなことがあるかもしれません。そうした万が一のために、インターネット等で、別のルートでの行き方を調べておきましょう。できればそのルートで1回本人が受験校まで実際に行ってみるといいでしょう。
 SUICA、ICOCAなど、ICカードのチャージもしておきましょう。当日不足が出て切符を買ったりすると、想定外の時間を取られるので、余計な焦りが生まれてしまいます。そうしたことのないよう、今のうちに打てる手は打っておきたいものです。

■本命校でなくても強い意思を持って受ける

 ほとんどの都道府県で、私立が第一志望の単願(専願)で受験する場合以外は、私立を受けて、その後に公立を受けるパターンだと思います。私立は「安全校」として受けるケースが多いかと思います。
 しかし、案外これが盲点になることがあります。「安全校」ということで、どうしても準備、対策が本命である公立ほどは、熱心に取り組まないのです。公立は「過去問」を何年分も解いていながら、私立は一度もやらずに受ける受験生がいたりします。いくら模試では安全圏でも、これでは危険です。
 また、合格者を大勢発表するから案外易しいのでは、と高い偏差値の学校にチャレンジ受験するケースも多いのですが、こうした学校は広域から高学力の受験生が大勢受けてきます。ですから、合格者が多いからといって決して易しいわけではありません。
 要するに、私立を受験する時も、「必ず合格する」「万が一の場合は通うつもりがある」といった強い意思を持っていないと危険だということです。

■「過去問」に集中して準備

 私立は、本人も、親も「安全校」ということで本命校とは違ってそれほど緊張せずに受けに行ったりします。それだけに、不合格だった場合のショックは逆にすごく大きくなります。
 したがって、これからまだ入試が控えているなら、1年分でもいいですから必ず「過去問」をやって臨んでください。どうしてもやる時間がないというなら、問題を見るだけでもしておくことが大切です。
 各教科の問題量は全体としてどのくらいなのか、問題形式はどのようになっているのか、問題のレベルはどうか、記述が多いのか選択式問題が多いのか、数学の問題の並びは易しいものから並んでいるのか、社会科の人名や用語は、ひらがなで解答してもいいのか漢字指定なのか……そうしたことを承知しているだけでもずいぶんと違うものです。


プロフィール


安田理

大手出版社で雑誌の編集長を務めた後、受験情報誌・教育書籍の企画・編集にあたる。教育情報プロジェクトを主宰、幅広く教育に関する調査・分析を行う。2002年、安田教育研究所を設立。講演・執筆・情報発信、セミナーの開催、コンサルティングなど幅広く活躍中。
安田教育研究所(http://www.yasudaken.com/)

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