二瓶 健次 先生

総合監修:二瓶 健次 先生

各専門分野の先生の紹介

症状・病名と予防接種

病気と予防アドバイス - その他の病気

その他の体の部位2歳3ヵ月
寄せられたご相談

息子の太もものつけ根辺りが膨らんでいて心配です。

相談内容の詳細を見る

オムツを替えるときに気づいたのですが、どうも息子の太もものつけ根辺りが膨らんでいるようです。
特に痛がっているわけではありませんが、何かにぶつけてできたはれとも違うようで、心配です。

先生からのアドバイス
鈴木 博 先生

「鼠径(そけい)ヘルニア」ということも考えられます。まず小児科を受診することをおすすめします。

アドバイスの詳細を見る

実際にお子さんを診てみないとわかりませんが、「鼠径ヘルニア」ということも考えられます。

「ヘルニア」とは、本来おなかの中にあるべき内臓が、おなか以外に出てくる病気で、「鼠径ヘルニア」とは、それが太もものつけ根(鼠径部)に出てきた状態です。
男女どちらにも起こりますが、特に男の子に多い病気です。男の子は、まだママのおなかの中にいるとき睾丸(こうがん)がおなかの内部にあり、生まれる前に腹膜鞘状(ふくまくしょうじょう)突起という腹膜の突起を通り陰嚢(いんのう)に下りてきます。
睾丸が下り腹膜鞘状突起の役割が済むと、自然に閉じますが、完全に閉じないと突起の中に腸が入り込み、鼠径部が膨らみます。これがこの病気の原因です。
男の子は陰嚢が、女の子は大陰唇の辺りが膨らむこともあります。
痛みはなく、収まったり引っ込んだりします。腸が脱出しても、お子さんの様子に変化がなければ、出たままでもかまいません。
ただし女の子の場合、卵巣が入り込んで飛び出す場合があります。この場合は卵巣にダメージを受けやすいため、早めに小児科を受診しましょう。
手術することもあります。

もし鼠径部辺りに膨らみを発見したら、小児科を受診します。生後3〜6ヵ月未満で発病した場合は、自然治癒の可能性もあるため様子を見ますが、自然治癒しなかったり、6ヵ月以降に発病した場合は手術で治します。
手術は簡単なものなので、必要以上に心配しなくてよいでしょう。
さわると激しく泣いて痛がったり、おなかがパンパンにかたくなっている場合は、鼠径部に飛び出した腸がねじれ、根元で締めつけられている「嵌頓(かんとん)ヘルニア」の可能性もあります。この場合はすぐに手術する必要があるので、至急病院へ行きましょう。

関連するQ&A

Yahoo!ブックマークに登録ヤフー このエントリーをはてなブックマークに追加 はてな

プロフィール


二瓶健次

東北大学医学部卒業。東京大学小児科、自治医科大学小児科を経て、 1979年から2001年まで国立小児病院神経科医長、 2001年から2004年まで国立成育医療センター神経内科医長 、2006年から、東京西徳洲会病院小児センター神経・発達部勤務。 小児神経学、発達神経学が専門。

プロフィール


鈴木博

埼玉医科大学卒業。1991年埼玉医大小児科講師。1998年東京都品川区に「鈴の木こどもクリニック」を開設。監修書に「赤ちゃんの病気・けが&トラブル救急箱」(学研)等。昭和大学医学部客員教授。品川区議会議員。