二瓶 健次 先生

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突発性発疹0歳8ヵ月
寄せられたご相談

先月突発性発疹(ほっしん)と診断されたが、発熱しなかった。小児ストロフルスではないか?

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先月末に突発性発疹(ほっしん)になりました。…と言っても下痢・湿疹のみで発熱はしませんでした。内科をしている実家近くの医師に見せたところ、突発疹だと言われました。発熱しない突発疹は聞いたことがなかったのですが、そんなことがあるのでしょうか?
蚊に顔を5、6箇所刺されていたので、今になって思えば、小児ストロフルスだったのでは? と思っています。湿疹は体全体にあり、下痢が続いていたので3日前からは離乳食は食べていませんでした。

先生からのアドバイス
佐々木 りか子 先生

典型的な突発性発疹の症状とは異なるようですが、この病気の確定診断は血液検査をするしかないのが現状です。

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突発性発疹は、長い間原因が見つからなかったのですが、最近、ヒトヘルペスウイルス6型か7型の初感染が原因だということがわかりました。生後6ヵ月から2歳までの赤ちゃんがかかることが多いウイルス性発疹症のひとつです。
お母さんからもらった免疫が切れるころに、初めてかかるウイルス感染症と言われてきました。普通症状は、3〜5日間くらい39℃前後の発熱が続いて、下熱した直後に全身に薄いピンクの細かい発疹が出ます。ほかの症状はほとんどないことが多いのですが、大泉門が膨らんだり、けいれんを起こしたりすることがあります。

以上のことからしますと、お子さんの症状は、典型的な症状とは異なるように思います。しかし、発疹の性質、月齢、また発熱以外の症状が軽いことから、この診断がつけられたのかもしれません。いずれにしても、この病気の確定診断は、血液をとって原因ウイルスを見つけるか、血清抗体価(血液の中に抗体ができているかを調べる検査によりわかる価)を測るしかありません。今からできることは、既にかかったことがあるかどうかを知る抗体価測定ですが、そのときのものかどうかはわかりません。測定については、小児科でご相談ください。ただ、そこまでして確認する必要性があるとはあまり思えません。

なお、小児ストロフルスという病名は、もともとは、アトピー体質のあるお子さんの腕や脚にできる治りにくいポツポツした湿疹を言います。2〜3mmのピンク色〜普通の皮膚色のかたいプツッとした湿疹が、たくさんできます。そして、かなり長いこと消えません。かゆみがあります。これは、昔は食物アレルギーが原因と言われていた時代がありますが、今は、蚊に刺されたところが変化したものだとわかっています。この症状と突発性発疹とは、症状が似ているということはありません。

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プロフィール


二瓶健次

東北大学医学部卒業。東京大学小児科、自治医科大学小児科を経て、 1979年から2001年まで国立小児病院神経科医長、 2001年から2004年まで国立成育医療センター神経内科医長 、2006年から、東京西徳洲会病院小児センター神経・発達部勤務。 小児神経学、発達神経学が専門。

プロフィール


佐々木りか子

日本医科大学卒業。旧国立小児病院皮膚科医長、旧国立成育医療センター第二専門診療部皮膚科医長を経て、2008(平成20)年りかこ皮フ科クリニック院長。日本小児皮膚科学会事務局長。