幼児期に「非認知能力」を育てるために心がけるべきこと【後編】

 非認知能力は幅広い概念のため、どう伸ばせばよいか、イメージしづらいかもしれません。ただ遊ばせておいて伸びるわけではなく、保護者のかたなど大人の意図的な支援が不可欠です。非認知能力を育てるために心がけるべきことをご説明します。

非認知能力の育成で保護者のかたが心がけたいポイントとは?

 実は、非認知能力を伸ばすために、特別な環境や活動は必要ありません。拍子抜けされたかもしれませんが、日常の遊びや生活の中で十分に伸ばすことができるのです。ただし、保護者のかたが意識すべきポイントがいくつかあります。

◎子どもが興味をもったことに取り組ませる

非認知能力は、子どもが興味をもったことに取り組む中で育ちやすいといわれています。教室におとなしく座らせて興味のない勉強を強いても、我慢強さや根気強さはあまり育ちません。例えば、子どもがコマ回しに興味がある場合に「もっと上手になりたい」という気持ちをもって一生懸命に練習する中で、我慢強さや根気強さが育つのです。そこで保護者のかたとしては、「もっと上手になれるようにがんばってごらん」と目標を高く持つように促したり、途中であきらめそうになった時に「練習すれば、きっとできるようになるよ」と、根気強く続けられるように励ましたりするサポートが大切になります。

◎「育てたい力や姿勢」を考える

子どもが縄跳びにチャレンジしていたら、「何回できたか」に目が向くのではないでしょうか。非認知能力を育てるためには、そうした目に見えるスキルではなく、育てたい力や姿勢を意識してください。例えば、「縄跳びを通して、目標を持ってがんばったり、上手にできるように工夫したりできるようにしたい」といった視点でサポートすることで、非認知能力は高まっていきます。そして結果として、縄跳びのスキルも高まるはずです。

◎豊かな環境を準備する

家庭でテレビやDVDを見るだけの過ごし方をしていたら、がんばったり、工夫したり、自信をつけたりする経験はほとんどできません。子どもがおもしろいと感じたり、関わったりしたくなる素材を家の中にたくさん用意しましょう。特別な物である必要はなく、ゴミとして捨てている牛乳パックやペットボトル、段ボールなどを置いておくだけで、大人が想像もしない遊びが展開するでしょう。また、子どもの好きな絵本シリーズとはジャンルが異なる本と出合う場を作ることで、興味もどんどん広がっていくはずです。

◎文字や数の力は遊びながら育てる

幼児期に文字や数を学ぶ場合は、できるだけ楽しめるように心がけましょう。ドリルなどに取り組むより、遊びの中で文字を書いたり数えたくなったりする場面を作ると、「もっと知りたい」という気持ちが自然と起こり、スキルと一緒に非認知スキルも伸びていきます。例えば、お店ごっこをリアルにするために看板やメニューを作ったり、拾った木の実を数えたり、少し工夫するだけで文字や数にかかわる学びは簡単に遊びの中に取り入れられます。

日常の中に自然と取り入れる工夫をしよう

 非認知能力は、一見、抽象的な概念と感じるかもしれませんが、決して難しいことではありません。「どんな力や姿勢が育ってほしいか」という願いを持ち、日々の遊びや生活を大切にすることで無理なく育てられるものです。ぜひ日常の中で非認知能力を意識するようにしてください。

※この記事は、ベネッセ教育総合研究所が刊行する『これからの幼児教育』(2015年度春号・夏号)を参考にして作成しています。

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