1歳のトイレトレーニング方法~進め方とコツ~

【臨床心理士監修】入園までにと、早めのオムツはずれを意識し1歳後半からトイレトレーニングを徐々に始めるかたも多くいらっしゃいます。まだまだコミュニケーション力が低い1歳児とどのように接してトイレを覚えてもらったらいいのか? その方法と進め方を詳しく解説します。

1歳からのトイレトレーニングのやり方・進め方

1歳からトイレトレーニングを始める場合、その土台となるのは、今まで「オムツ交換」の時間を通じて築いてきた、親子の信頼関係です。「オムツ交換」は、お子さんとの大切なスキンシップの時間で、お子さんはオムツが新しくなる心地よさを、繰り返し体験し、自己肯定感を獲得していきます。

また、オムツ交換のときにおうちのかたが「おしっこ出たね。おりこうだね」「うんちふきふきしたら、さっぱりして気持ちいいね」といった、トイレに関する声かけをしてあげると、「排泄することが気持ちいい」というイメージが定着します。そこで培われた安心感や信頼関係をベースに、トイレトレーニングという次のステップへ進んでいくことが大切です。トイレトレーニングを始める前に、ふだん何気なくやっているおむつ交換がお子さんとの大切なコミュニケーションの場であることを、意識してみてください。

1歳児の心と体の発達について

1歳でトイレトレーニングを始める場合、お子さんの心や体がトイレトレーニングができるくらい発達しているか、よく観察する必要があります。

お子さんの発達には個人差がありますが、大まかな目安は上の表の通りです。1歳8ヵ月頃~1歳9ヵ月にかけて、「簡単な問いかけに言葉で答えることができるようになる」「チー(おしっこ)などの言葉がわかる」「指差しなどの動作で自分の意思が伝えられる」といった、コミュニケーション力が芽生えてきます。ちょうどその頃、身体の方も運動能力が発達してきて、一人でしっかり歩けるようになってきます。

● おうちのかたと簡単なコミュニケーションがとれる
● トイレまで自分で歩いていくことができる
この2つがそろったら、1歳のトイレトレーニングを始めることができるでしょう。

1歳前半から「絵本」や「遊び」でトイレへの理解を

トイレトレーニングに必要な心身の発達は1歳後半からになりますが、1歳前半でも言葉の理解は徐々に始まっています。その頃から絵本や遊びを通して、トイレやおしっこ、うんちについて親しんでおくと、その後トイレトレーニングにスムーズに入っていくことができます。

お子さんがトイレに興味をもたない場合は、無理に教える必要はありません。お子さんの様子を見ながら、少しずつトイレに興味をもってもらうようにしましょう。

【おすすめグッズ】
● トイレの絵本 『みんなうんち』(作:五味太郎)、『ノンタンのおしっこシーシー』(作:キヨノサチコ)
● こどもちゃれんじの教材やDVD、絵本

【おすすめの遊び】
しまじろうなど、人形やぬいぐるみを「トイレに行かせる」ごっこ遊び。

マネっこが好きな1歳にはおうちのかたのトイレを見せてみる

1歳のお子さんは人のマネが大好きです。「バイバイ」「いただきます」などはまわりの大人をマネすることですぐに覚えてしまいます。

大人のマネが大好きなお子さんには、おうちのかたのトイレを見せてみるといいでしょう。「自分もやってみたい!」とお子さんが興味をもってくれれば、トイレトレーニングがスムーズに進みます。

トイレを楽しく装飾・ごほうびシールも用意しよう

お子さんがトイレを好きになるために、トイレの中は明るく清潔にし、できれば楽しく飾り付けもしてあげましょう。お子さんの好きなキャラクターなどがあれば、トイレに行くのが楽しくなるはずです。

さらに、トイレトレーニングが楽しくなる工夫として、おしっこやうんちができたときにシールを貼る「トイレトレーニング応援カレンダー」を置くのもおすすめです。そうやって、少し遊びの要素を加えながら、楽しくトイレトレーニングを進めていきましょう。
「トイレトレーニング応援カレンダー」は、こちらからダウンロードすることができます。

トイレに興味をもちだしたら、少しずつ座らせてみる

お子さんがトイレに興味をもつようになったら、おうちのかたと一緒にトイレに入ってみましょう。お子さんがいやがらなければ、そのまま補助便座かおまるに座らせてみてください。もし、偶然でもおしっこができたら、いっぱい「ほめる」ことが大切です。1歳のお子さんは、自分のしたことでおうちのかたが「喜ぶ」「笑顔になる」といった反応を見ると、それを繰り返し「やろう」という気持ちになります。

無理に座らせない、ゆっくり進める

1歳のトイレトレーニングで大切なことは、とにかく「ゆっくり」進めていくことです。便座やおまるには無理に座らせなくても大丈夫。トイレという場所に興味をもつだけでも、大きな一歩です。「トイレに行ける」「便座に座れる」「おしっこが出る」といった一つひとつのステップを大切に、ゆっくり進めていくことが大切です。

トイレに座りづらい小さな1歳…おまる? 補助便座?

体の小さな1歳のお子さん。トイレトレーニングをするには、おまると補助便座、どちらがいいのでしょうか? それぞれの特徴を解説します。

補助便座のメリット・デメリット

補助便座のメリットは、おしっこやうんちが終わったあと、水を流すだけで良いので、おうちのかたの手間がかかりません。補助便座に慣れておくと、外出先などでトイレに行くことができるようになるので便利です。
補助便座のデメリットは、体の小さな1歳のお子さんにとって、補助便座を使っても大人用の便座はかなり高い位置に感じられることです。便座への上り下りを安全に行うためと、便座に座っているときに足が届いて姿勢を安定させるために、しっかりとした足台を置いてあげましょう。

おまるのメリット・デメリット

おまるのメリットは、体の小さな1歳のお子さんでもしっかり足が床に届き、姿勢が安定することです。また、トイレに入るのをいやがるお子さんの場合、最初はおまるを使って慣らしていってもよいでしょう。
おまるのデメリットは、おしっこやうんちが終わったあと、毎回おまるを洗わなければいけないので、おうちのかたの手間がかかることです。
このように、補助便座・おまるともにメリット・デメリットがあるので、お子さんの好みやおうちのかたの都合に合わせて選ぶといいでしょう。

トレーニングパンツ・布パンツは使う?

1歳のトイレトレーニング、トレーニングパンツや布パンツはいつから使うのがいいでしょうか? 1歳のお子さんは、まだ膀胱が小さく、おしっこを溜めにくいので、おしっこの回数は1日で8回以上、多い子だと12回くらいになります。そのため、パンツを使うと、トイレに間に合わず、おもらしをしてしまうことも多いです。

濡れたパンツを替えたり、洗濯したりするのはお子さんやおうちのかたともに負担が大きいので、無理してパンツを履かせる必要はありません。オムツを履いたまま、1日何回かトイレに行っておしっこができれば十分です。

1歳でそこまでできれば、2歳になると、すぐにパンツに移行することができるでしょう。1歳のトイレトレーニングで大切なのは、「トイレに興味をもち、トイレに慣れること」や「補助便座やおまるに座ったときに、おしっこする」という感覚を覚えてもらうことです。

1歳のトイレトレーニングでやってはいけないNG行動

1歳のトイレトレーニングを進めるときは、どんなことに気をつければいいでしょうか?「やってはいけないNG行動」を紹介します。参考にしてみてください。

いきなりトイレに座らせる

ずっとオムツをしてきた1歳のお子さんにとって、「トイレ」という空間は未知の世界。しかも、「おしっこ」や「うんち」という言葉やそれが指すものがわかっていない場合もあります。いきなりトイレに座らされても、そこが「おしっこ」や「うんち」をする場所であることがわかっていないと、トイレトレーニングにはなりません。

ましてや、強制的に座らせてしまうと、お子さんが「トイレ」を怖がったり、いやがったりする可能性があります。「トイレに行く」のも「便座やおまるに座る」のも、お子さん自らが「やってみたい」と興味をもつようにサポートするのが、トイレトレーニングの基本です。

長く座らせる

1歳のお子さんの場合は、尿意や便意を自覚することはまだ難しいので、「トイレに行ったけど出なかった」ということは珍しくありません。もし、おしっこやうんちが出なかった場合でも、長い間便座やおまるに座らせる必要はありません。

まだ集中力が長く続かないので、座らせる時間は最初20秒くらいから始めて、長くても2分くらいまでにしましょう。なかなか出ないからといって、長い時間便座やおまるに座らせると、お子さんが苦痛を感じてしまいます。

トイレでいやな思いをすると、次回からトイレに行くこと自体をいやがる可能性があります。トイレトレーニングはゆっくり、楽しく進めることが大切です。

リビングなど「遊び」の場所でおまるを使ってトレーニングする

1歳のお子さんの場合、おまるをリビングなどで使っていると、「おもちゃ」と思って、中にものを入れたり、遊んでしまったりするお子さんもいます。「おまる=おしっこやうんちをする場所」ということを理解してもらうためには、おまるをトイレに置いて使うという方法がおすすめです。

また、「トイレでするのはいやがるけど、おまるではおしっこする」「小さな弟や妹がいて、おしっこのたびにトイレに連れて行くのが大変」など、状況によってはリビングでおまるを使用することもあるでしょう。その場合は、おまるは「おしっこやうんちの場所」であることを教え、おまるで遊ばないように気をつけてあげてください。

1歳のトイレトレーニングは無理せず、ゆっくりと

1歳のトイレトレーニングは、お子さんもおうちのかたも無理なく、ゆっくりと進めることが大切です。一番大切なのはお子さんが自発的にトイレに行きたいという気持ちをもってくれることです。おしっこやうんちが出なくても、自分から「トイレと言えたこと」や「補助便座やおまるに座れたこと」という小さなステップを一つひとつほめてあげてください。

小さな成功体験の積み重ねは、お子さんの自信を育み、それがお子さんの自己肯定感を高めていきます。トイレトレーニングはお子さんが心身ともに成長する大切なステップです。1歳のトイレトレーニングはまだまだたっぷり時間があります。焦らずゆっくり、お子さんの成長をサポートしてあげてくださいね。

プロフィール

臨床心理士監修:須々木真紀子

「ママchan」臨床心理士。日本心理臨床学会所属、学校心理士および保育士資格。首都圏を中心に複数自治体の保育カウンセラー、スクールカウンセラーとして、幼少教育現場における子どもの発達と子育て支援に勤しむ。現在、株式会社インフォマートの「ママchan」臨床心理士として、幼稚園・保育園の巡回訪問を行う。三児の母。
・「ママchan」臨床心理士 http://ameblo.jp/kokorokodomo/

おすすめトピックス

子育て・教育Q&A