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総合監修:二瓶 健次 先生
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体の部位アドバイス - その他の体の部位
お風呂上がりのときだけ陰のうの右側がかなり大きくはれますが、しばらくすると元通りになります。様子を見ていて大丈夫でしょうか。
ふだんは大丈夫なのですが、お風呂上がりのときだけ陰のうの右側がかなり大きくはれています。しばらくすると元通りになるのですが、このまま様子を見ていて大丈夫でしょうか?
幼児期には自然に治ることが多いので、そのまま様子を見られてよいでしょう。
陰のうが大きくなってくる場合には、「陰のう水腫(すいしゅ)」と「陰のうヘルニア」があります。
「陰のう水腫」は陰のうに水がたまるもので、外から見ると大きくはれているように見えます。
中は液体ですので、明かりに照らしてみると(暗い部屋で、懐中電灯などで照らしてみる)光が透過しピンク色に見えます。その中に睾丸(こうがん)が薄く黒く見えます。これは胎児期に睾丸が腹部から陰のうに降りていくときに、腹膜を伴っていくために、腹膜の一部が陰のうに入り込んでいて、この腹膜に水がたまるものです。
おなかの中の腹膜と交通がある場合(交通性)と陰のうで孤立している場合(非交通性)とに分けられます。
交通性の場合は、腹圧が高まったり、立位を取ったり、お風呂などに入ってあったまると陰のうも大きくはれてくることがあります。通常はすぐに元に戻るのが特徴です。
非交通性では、腹圧の状態により大きくなったりせず、持続的です。いずれにしましても、幼児期には自然に治るのが特徴です。
「陰のうヘルニア」というのは、腸管の一部が陰のうに入り込んでいる状態です。
この場合は光を当ててもごつごつとした内容物があるように見えます。さわるとジュクジュクとした感じがします。激しく泣いたりして腹圧が高いとヘルニアが大きくなり陰のうが大きくなります。陰のうの方から手で圧をかけると自然に元に戻ることが多いです。
しかし、なかなかヘルニアが元に戻らなくなることがあります、このような場合は陥屯(かんとん)ヘルニアといって、陰のうに出た腸管が血流障害を起こす危険がありますので、手術が必要になります。
「陰のう水腫」と「陰のうヘルニア」の区別は慣れた医師ならば容易にできますが、ときには区別が難しく、超音波などの検査が必要になることもあります。
ご相談の場合は、交通性の陰のう水腫の可能性があり心配ないと思いますが、一度小児科、あるいは小児外科を受診してください。