頭のてっぺんに円形脱毛症ができました。

円形脱毛症は、子どもから大人まで、どの年齢でも起こりうる病気で、確かに心因的な要素が考えられる場合もある疾患です。
子どもの場合の心因的なストレスとは、入園・入学や転校などで環境が変わったとき、友だち関係がうまくいかなかったとき、家族内でいさかいやトラブルが発生したとき、母親などふだん世話をしてくれる人が病気になったり入院したときなどに、円形脱毛症になる場合があります。
また、本人が入院したり、手術を受けたり、風邪で高熱を出したあとなど、かなり身体的に大きなストレスとなるようなことがあると、しばらくしてから円形脱毛症になる子もいます。
しかし、このような思い当たる原因がまったく見当たらないまま、円形脱毛症になるお子さんもいます。
また、それとは別に、免疫異常により自分の毛の毛根をリンパ球などが攻撃して破壊するという説もあり、最近はこちらの考え方の方が主流となってきています。アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患をもつお子さんに円形脱毛症が多いのも、この説を裏付けています。一種のアレルギーによって毛が抜けていると考え、抗アレルギー薬をしばらく内服してみる場合もあります。

円形脱毛症に気づいたら、お子さんを取り巻く環境に変化はないかと考えてみること、あるいは、ご両親や家族のかたの接し方に問題はないか冷静に考えてみることも大切です。
なかなか、自分では客観的に判断することができない場合も多いので、そういった相談も含めて、一度皮膚科を受診してみるとよいと思います。

皮膚科では、保護者のかたとよく原因について探りながら、頭皮の血行をよくするためには、どのような日常の過ごし方をすればいいかをアドバイスし、外用薬、ときには内服薬も併用しながら、治療していきます。