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総合監修:二瓶 健次 先生
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体の部位アドバイス - その他の体の部位
健診で停留睾丸のようだといわれました。今は様子を見ていますが、このままの場合、手術をするのではないかと心配です。
健診で停留睾丸(こうがん)のようだと言われました。さわってみると確かに左側だけ、ころころした感じがなくぷにゅっとしています。
1歳くらいまでの間に自然に降りてくる場合もあるということで、今は様子を見ているのですが、このままで自然に下がらない場合、手術をするのではないかと心配です。
このまま1歳過ぎまで様子を見て、それでも状態が変わらないようでしたら一度受診をしてみてください。
胎児期におなかの中(腹腔:ふくこう内)にある精巣(睾丸)が、生まれるときには陰のう内に降りていますが、ときに腹腔内や陰のうまでの途中(鼠頚:そけい部)に残っている場合があります。これを停留精巣(停留睾丸)と呼んでいます。
比較的よく見られる状態で、男児の出生時の4〜5%、1歳では1%と言われています。
鼠頚部にある場合が多く全体のおよそ80%とされています。鼠頚部にあるものは、生まれてからも陰のうに下がってくる傾向がありますので、1歳くらいまで様子を見て問題はありません。
また、ふだんは鼠頚部にある睾丸が暖かい落ち着いた環境では陰のう近くにまで降りている場合や、睾丸を下の方にまですべらせていくと陰のうに戻るような場合は移動性睾丸と言われ、心配がないことが多いです。
いずれにしても、1歳を過ぎても腹腔内や鼠頚部にとどまっている場合は、専門医によりどのようなタイプの停留睾丸なのかの診断がなされ、手術の適応となるかどうかを決めていきます。
手術は通常、1〜3歳に行われます。実際に手術は小児外科でなされることが多いと思います。
停留睾丸は鼠頚ヘルニア、精巣腫瘍(しゅよう)、不妊などの頻度が高くなると言われており必要な手術ですので、外科の先生によくお聞きになって手術を受けてください。
手術によらず、ホルモン療法もありますが、日本ではほとんど行われていません。
なお、心配になって鼠頚部の睾丸を保護者のかたが毎日さわってみたり、押し下げたりするようなことはむしろ危険なことがありますので注意してください。