2012年度入試問題を振り返る<国語> 学校別分析3【桜蔭中】[2012年度入試で何が問われたか<国語> 首都圏上位10校の問題を徹底分析 第3回]
首都圏上位10校の入試問題が2012年度は「理性」「感性」のどちらにより寄ったかを軸に、平山入試研究所の小泉浩明先生にお話しいただきました。
※以下は、2012年4月に開催された森上教育研究所主催「わが子が伸びる親の『技』研究会」セミナーでの小泉先生の講演を抄録したものです。
2012年度入試問題を振り返る<国語> 学校別分析3【桜蔭中】
桜蔭中 ⇒感性
桜蔭中の2012年度の国語は、説明的文章1題、物語文1題でした。記述問題7問、穴埋め1問、漢字5題で記述中心です。桜蔭中は以前、文芸論などが出題されていて「超難問」でした。難しすぎて差がつきにくかったのですが、これが最近は「非常に難問」くらいになった状態です。実力の差が出やすい良問です。
今年度は「具体的に考える力」「想像力」を試す問題が出題されました。たとえば説明的文章の問三では「傍線部(『たちまち重い沈黙が強いられる』)はどういうことですか。具体的な例をあげて説明しなさい」という出題がありました。これは抽象的な言い方を普通の言葉に直すもので、しかも具体例を自分で考えなくてはいけない難しい問題です。下記の〔考え方〕を参考に、具体的でわかりやすい表現をめざしましょう。
わかりやすい表現のパターン
〔考え方〕
傍線部を具体的でわかりやすい表現にする。
人口増加による食糧や水などの資源の不足は確実であるのに
〔理由〕
+
将来のことは何も考えていないと言われても反論できない
〔キーワード〕
+
~こと。〔文末〕
また、物語文では、□に入るふさわしいセリフを考えて答えなさいという出題がありました。これは文脈のつながりを想像する力を試す問題であり、文中にある文章をわかりやすい表現に変えて答えなければなりません。
このように、問題文自体は難しくなくても、問われていることが難しいのが今年度の桜蔭中の問題でした。
想像力が必要な問題のパターン
〔考え方〕
「ぼくたちは、草原に立つ一本の大木じゃありません」をわかりやすい表現にする。
※文脈のつながりを想像する力を試す問題。
解答例)「ずっとひとりではいられないよ」
対策として、難度の高い文章を深く読む練習が必要です。問題文が適度に易しくなると、皆ができない超難問よりも差が付きやすくなります。今年は感性の方に揺れた桜蔭中でしたが、「具体的に書く」など表現力の幅を広げる練習も必要です。
また、200字くらいで、長文記述対策を行っておくとよいでしょう。文章の構成を考え、「この内容をこのくらいまで書く」などと大まかな分量を決めてから書き始めるようにしましょう。
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桜蔭中学校 10年間入試と研究 平成25年度用中学受験 8 |