【式と証明】不等式の証明で相加平均と相乗平均の大小関係を使うコツ
不等式の証明で,どんなときに,相加平均・相乗平均の関係を使ったらよいのかわかりません。
進研ゼミからの回答
こんにちは。
いただいた質問について,さっそく回答いたします。
【質問の確認】
不等式の証明で,どんなときに,相加平均・相乗平均の関係を使ったらよいのかわかりません。
というご質問ですね。
【解説】
相加平均と相乗平均の大小関係は,
でしたね。
この関係は,不等式を証明するときなどに使うことができるものでした。
ただし,実際の問題では,どんなときに相加平均と相乗平均の大小関係を使ったらよいのか,どのような2数に対して当てはめればよいのか,迷うことがあると思います。
では,具体的に見ていきましょう。
≪その1:どんなときに,相加平均と相乗平均の大小関係を使ったらよいの? ≫
判断するポイントは,次の通りです。
次の例題で,どのように使うかを考えてみましょう。
【例題1】
<考え方>
<解答>
≪その2:相加平均と相乗平均の大小関係を使える気がするけれど,そのやり方がわからない…という場合≫
難しい問題になると,なんとなく相加平均と相乗平均の大小関係が使えそうなのですが,どの2式を当てはめたらよいのかわかりにくいことがあります。その場合の考え方について見てみましょう。
【例題2】
(考え方)
<解答>
左辺を展開して,
◎まとめ
不等式の証明で,相加平均と相乗平均の大小関係を使うかどうか,判断のポイントは,
① 証明する不等式の中に,「掛けたら定数となるような文字のカタマリの組」があること。
② ①の文字のカタマリのそれぞれが,正の数(値)であること。
そして,「①②に当てはまるかどうかすぐにわからない」というときは,「証明すべき不等式を展開」して,上の①②を満たす文字のカタマリがあるかチェックしましょう。
【アドバイス】
『相加平均と相乗平均の大小関係』を使うと楽に証明できる場合もあるので,判断のポイントをしっかり押さえて,使えるようになっておきましょう。
それでは,これで回答を終わります。
これからも,『進研ゼミ高校講座』にしっかりと取り組んでいってくださいね。