二瓶 健次 先生

総合監修:二瓶 健次 先生

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病気と予防アドバイス - 胃腸炎・食中毒

食中毒1歳10ヵ月
寄せられたご相談

食中毒の細菌にはどんなものがありますか。家庭の食中毒予防としては、どんなことに気をつければよいですか。

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夏が近づいてくると食中毒が気になります。食中毒を起こす細菌にはいろいろとあるようですが、主にどんな細菌があるのでしょうか。また食中毒の予防として、家庭ではどんなことに気をつければよいですか。

先生からのアドバイス
鈴木 博 先生

食中毒(細菌性腸炎)の原因となる主な細菌は様々な場所に存在しています。予防三原則は、「細菌をつけない」「細菌を増やさない」「細菌をやっつける」です。

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気温や湿度が高くなると細菌が強い繁殖力をもつため、夏は食中毒(細菌性腸炎)に気をつけたいですね。

「細菌性腸炎」を起こす細菌には次のようなものがあります。
まずは「腸炎ビブリオ」。海水中にいる細菌で、夏に増殖します。生の魚介類を食べたり、海水浴などで感染します。
次に「黄色ブドウ球菌」。人間の皮膚にいる菌で、化膿(かのう)した傷口や荒れた手などから食品にうつり、お弁当やケーキなどが感染源となります。
次は「カンピロバクター」。家畜の腸内にいる菌で、牛肉やとり肉、卵の殻についていることが多くあります。冷蔵庫内でも増殖し、汚染された水道から集団発生することもあります。
「サルモネラ菌」は、菌に汚染された牛、ニワトリ、豚などの生肉や生卵、これらの加工食品などから感染します。ただし十分に加熱すると菌は死にます。
いくつかある「病原性大腸菌」の中で重症化しやすいのが「O-157」などの腸管出血性大腸菌。わずかな菌数でも腸炎を発病します。
最後にノロウイルスで、汚染された下水や海水などから病原体を摂取した生ガキや生の二枚貝を食べて感染します。

食中毒から子どもを守るための予防三原則ですが、ひとつ目は「細菌をつけない」です。調理前には手をよく洗い、調理器具や食材もよく洗いましょう。
ふたつ目は「細菌を増やさない」です。例外もありますが、多くの細菌は10度以下の冷蔵庫内であれば増えにくいため、食べ物は必ず冷蔵庫で保存しましょう。食べ物の入れすぎなどによる庫内の温度上昇に気をつけましょう。
最後は「細菌をやっつける」。ほとんどの細菌は熱に弱く、加熱すると死にます。高温多湿の夏は加熱調理を心がけましょう。食器や調理器具の熱湯消毒も効果的。塩素系漂白剤で消毒するのもよいでしょう。

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プロフィール


二瓶健次

東北大学医学部卒業。東京大学小児科、自治医科大学小児科を経て、 1979年から2001年まで国立小児病院神経科医長、 2001年から2004年まで国立成育医療センター神経内科医長 、2006年から、東京西徳洲会病院小児センター神経・発達部勤務。 小児神経学、発達神経学が専門。

プロフィール


鈴木博

埼玉医科大学卒業。1991年埼玉医大小児科講師。1998年東京都品川区に「鈴の木こどもクリニック」を開設。監修書に「赤ちゃんの病気・けが&トラブル救急箱」(学研)等。昭和大学医学部客員教授。品川区議会議員。