【財政】国債の市中消化の原則がわかりません。
国債の市中消化のメリット、なぜその原則が必要なのかわかりません。
お願いします。
進研ゼミからの回答
こんにちは。
いただいた質問について、さっそく回答させていただきます。
【質問内容】
国債の市中消化のメリット、なぜその原則が必要なのかわかりません。
【質問への回答】
国債の「市中消化の原則」とは、財政法第5条で国債の日銀引き受けが禁止されていることです。
☆市中消化の原則は、国債発行によるインフレの防止を目的としています。
国債を日銀で発行すると、通貨量を必要以上に増加させてしまうことになります。これでは市中の通貨量のバランスを崩すことになり、インフレを招くことになります。
そこで財政法は、原則として国債を日銀が引き受けることを禁止し、民間金融機関に売却することにしているのです。民間金融機関から一般の投資家に売却すれば、市中の遊休資金を調達することになります。これは民間の利用可能な資金の範囲で国債を発行できることになるので、市中の通貨量についてバランスは保たれ、インフレが発生する恐れが少なくなるということになります。
☆「市中消化の原則」が必要な理由
国債など公債の発行は、国や地方公共団体の財政支出を経常収入でまかなえないとき、必要な資金調達のために行います。しかし公債は借金であり、安易な公債発行は、利子の支払いや償還のための経費である公債費を増加させ財政の硬直化を招くなどの弊害を生みます。さらに日銀が引き受け可能となると、安易な国債発行が可能になり、インフレを招く危険性も高まります。これらの動きを制限するために「市中消化の原則」という規定が必要なのです。
【学習アドバイス】
「国債」は先にも書いたように国の借金です。国の国債残高は増加する一方で、巨額なものになっているので、財政健全化は近年の財政の課題です。また国債の利払いや償還のための資金は、次世代の負担にもなるものです。次世代の負担増や公債費増加による財政硬直化など、「国債」に関する問題点はここで確認しておきましょう。