【生物の系統】コケ植物・シダ植物の関係がわかりません。
シダ植物とコケ植物の生活環の違いがわかりません。
進研ゼミからの回答
こんにちは。さっそく質問に回答しますね。
【質問内容】
【問題】
次の図はコケ植物の生活環を示したものである。各問いに答えよ。
問1 次の構造体を,図中のa~jの中からそれぞれ1つずつ選び,記号で答えよ。
ア 配偶体 イ 胞子体 ウ 造卵器 エ 胞子のう オ 精子
ア( ) イ( ) ウ( ) エ( ) オ( )
問2 減数分裂,受精は図中の①~⑨のどの過程で行われるか。それぞれ番号で答えよ。
減数分裂( ) 受精( )
問3 図中のa~jのうち,核相が2nであるものをすべて選び,記号で答えよ。
( )
問4 シダ植物では,配偶体と胞子体は独立生活しているが,コケ植物では,胞子体と配偶体はどのような関係にあるか。簡潔に答えよ。
( )
【解答】
問1 ア b イ a ウ f エ c オ h
問2 減数分裂② 受精⑦
問3 a,c,j(順不同)
問4 胞子体は配偶体に寄生生活している。
この問題の特に問4がわからない,というご質問ですね。
【質問への回答】
問4に答える際は,胞子体と配偶体の関係を,シダ植物とコケ植物で比較するのがポイントです。
まずは植物の生活環について確認していきましよう。
受精卵(2n)が分裂・成長して胞子体(2n)になり,胞子体が減数分裂によって胞子(n)を形成し,
胞子は発芽・成長して配偶体(n)になります。配偶体は配偶子を形成し,
その後,配偶子が受精して受精卵(2n)になります。
シダ植物の生活環もコケ植物の生活環も上の図のようになりますが,
シダ植物とコケ植物とでは生活環において配偶体の時期が長いか,胞子体の時期が長いかが,
異なっています。
コケ植物の生活環では,配偶体の時期が長く,胞子体は配偶体に寄生している。
シダ植物の生活環では,胞子体の時期が長く,配偶体は独立して生活している。
≪コケ植物(スギゴケ)の生活環≫
通常目にする植物体は配偶体(n)で,配偶体(雌株)にある造卵器でつくられた卵(n)に,配偶体(雄株)にある造精器でつくられた精子(n)が水中を泳いで受精します。
造卵器の中で受精卵(2n)が発芽し,分裂・成長した胞子体(2n)は雌株の上部に寄生して生活します。
胞子体の胞子のうの中で減数分裂によって胞子(n)がつくられ,胞子は発芽・成長して配偶体(n)になります。
≪シダ植物(ワラビ)の生活環≫
胞子体(2n)は根・茎・葉に分化しており,光合成を行い,配偶体から独立して生活しています。
葉の裏にある胞子のうの中で減数分裂によってつくられた胞子(n)は,発芽・成長して前葉体と呼ばれる配偶体(n)になります。
前葉体は光合成を行うことができ,胞子体から独立して生活できます。
前葉体の造卵器で卵(n)が,造精器で精子(n)がつくられ,精子は水中を泳いで受精します。
受精卵(2n)は発芽し,分裂・成長して胞子体(2n)になります。
【学習アドバイス】
図でコケ植物とシダ植物のそれぞれの生活環を比較してみてください。
植物は維管束の有無や種子形成の有無などによって,コケ植物・シダ植物・種子植物(裸子植物と被子植物)に分けられます。それぞれの特徴を整理して覚えておくことも重要です。