【生殖と減数分裂】独立と連鎖の違いがわかりません。
独立と連鎖のしくみがよく理解できません。
進研ゼミからの回答
こんにちは。さっそく質問に回答しますね。
【質問内容】
「遺伝」に出てくる「独立」と「連鎖」のしくみがわからない、というご質問ですね。
【質問への回答】
まず「独立」と「連鎖」がどういう状態であるかみていきましょう。
上の図はA(a)とB(b)という遺伝子が,ある相同染色体に存在しているときのものです。
ー般に2nの個体の体細胞では同形同大の対になる相同染色体が含まれています。
その相同染色体に遺伝子が存在しているのですが,1対の対立形質を支配する対立遺伝子(例えばAとa)
のそれぞれは,対をなす相同染色体の同じ位置に存在しています。
対立遺伝子が2対以上(例えばAとa,Bとb)あるとき,それらが別々の相同染色体に存在することを独立,
2対以上の対立遺伝子が同ーの相同染色体に存在することを連鎖と呼んでいます。
では,遺伝子が独立しているか連鎖しているかがなぜ遺伝に関係するかというと,
遺伝とはそもそも子が親のどういう形質を受け継ぐのかを考えるもので,
「子ができる=配偶子ができて受精する」ということですから,
配偶子がどんなものかわかれば,子の形質はわかるということになります。
この配偶子のでき方に,遺伝子が独立しているときと連鎖しているときとで大きな違いがあるからなのです。
配偶子は減数分裂により生じますが,
減数分裂第ー分裂で体細胞ではペアだった相同染色体が分かれます。
したがってそこにある遺伝子も離れ離れになり,別々の配偶子へ入っていくことになります。
≪独立している場合≫
A(a)とB(b)が別々の相同染色体にあるため,
それぞれの遺伝子は互いに影響を与えることなく,配偶子に入ります。
したがって,配偶子への遺伝子の入り方はAB,Ab,aB,abの4通りです。
≪連鎖している場合≫(図ではAとB,aとbが連鎖)
AとB,aとbが同ーの相同染色体にあるので,何かが起こらない限り,AとB,aとb は常に一緒に行動し,
同じ配偶子に入ることになります。
したがって,配偶子への遺伝子の入り方はABとabの2通りだけで,Ab,aBという組み合わせはできません。
このように染色体に遺伝子がどのような状態で存在するのかで,配偶子のでき方に大きな影響が出てきます。
したがって,遺伝では遺伝子が独立しているか,連鎖しているかを考えるのが重要になるのです。
【学習アドバイス】
遺伝について考えるときは,自分で染色体の略図を描いて考えるとわかりやすくなります。まずは教科書や
「ゼミ」教材,演習問題の解説の図を描き写すことから始めてみましょう。
これからも進研ゼミで勉強を頑張ってください!