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総合監修:二瓶 健次 先生
各専門分野の先生の紹介
生活・健康・安全アドバイス - 事故予防・安全対策
ふくらはぎに熱湯をたらしてしまい、水膨れになってしまいました。
7ヵ月になる男の子ですが、足のふくらはぎに誤って熱湯をたらしてしまいました。すぐに水で3分くらい冷やしたのですが、一円玉ぐらいの水膨れができ、痛がる様子もなく遊んでいるうちに水膨れがつぶれてしまいました。
軟膏(なんこう)を塗ったのですが、このまま様子を見ていても大丈夫でしょうか?
熱傷の応急処置は、とにかくまず冷水や氷で20〜30分冷やすことです。そのあとは、ステロイド軟膏を塗って保護します。跡が残るかどうかは、熱傷の深さ次第です。
熱傷は小さい子どもがいる家庭では、特に周囲の大人が気をつけなければならない事故のひとつです。
子どもの手が届く所に、熱いコーヒーやスープ、アイロン、ストーブ、炊飯器、ポット、ストーブなどを置かないこと、そして常に子どもの動きに気を配ることです。
それでも、もしやけどをしてしまった場合は、何はともあれできるだけ早く、水道の流水で20 〜30分冷やすことです。
もし、流水をかけることが無理な部位なら、氷や保冷剤をタオルでくるんで患部に当ててもかまいません。子どもがいやがっても、冷やすのをやめると痛くなるはずですから、30分程度は冷やし続けてください。
ただし胸やおなか全面に及ぶほど広い範囲の場合には冷やしすぎて低体温になるといけないので、少しずつ冷やしながらとにかく早く病院で受診してください。
熱傷の重症度は、温度の高さと皮膚に接触していた時間によって左右され、ダメージを受けた皮膚の深さ、それと面積によって決まります。
軽いやけどは、熱傷1度といって少し赤くなってはれるだけです。チクチク痛みますが、1〜2週間で跡も残さず治ります。
水疱(すいほう)を作るのは2度の熱傷ですが、この中でも浅い水疱と深い水疱があり、すぐに破れて赤いびらん(水疱の皮がむけ、ただれた状態)になるものは浅い水疱で、ヒリヒリ痛みますが、ステロイド軟膏を塗って保護しておけば、2週間くらいでほとんど跡にならずに治ります。
深い水疱は、水疱の皮が厚く、白っぽくなかなか破れません。パンパンに張って痛みが強くなることがあり、病院で中の水を抜くこともありますが自分では破らないでください。
水疱の面積が大きいと、水疱を破ると水分が失われ小さい子どもでは脱水の心配があります。深い水疱が破れたあとのびらんは白っぽくなかなか治りません。
必ず受診して、適切な処置を受けましょう。細菌が感染する恐れもあり、抗生物質の内服が必要となります。たいてい跡を残し、茶色い色素沈着または白っぽい色素脱失を伴う瘢痕(はんこん)、ときにはケロイドとなります。
3度の熱傷は、水疱はできず壊死(えし)となります。深い潰瘍(かいよう)となり、かえって痛みは少なくなります。必ず瘢痕や盛り上がったケロイドを残します。
ご相談のお子さんは、一円玉くらいの水疱ですぐにつぶれたとのことですので、2度の熱傷だと思われます。
面積もとても小さいので、軟膏を塗っていらっしゃるならこのまま様子を見てもほとんど跡も残らず治るものと思われます。