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総合監修:二瓶 健次 先生
各専門分野の先生の紹介
体の部位アドバイス - 口に関すること
右の鼻の穴がふさがっていると診断されました。自分で鼻をすすることができないため、常に鼻水が垂れている状態です。また口臭も気になります。穴をあける手術は必要でしょうか。
生まれてすぐミルクの飲みが悪く調べた結果、右の鼻の穴がふさがっているとの診断でした。本人は今のところ不具合を訴えていませんが、生まれてからずっと一年中鼻水が出っ放しです。
まだ自分ですすることができないため、常に鼻から垂れている状態です。鼻水のせいかわかりませんが、歯みがきもちゃんとしているのに口臭も気になります。穴をあける手術が必要なのか、また口臭はそれが原因なのか教えてください。
右の「一側性後鼻孔閉鎖症」と考えられます。現在の呼吸状態に問題がなくても、将来的に鼻の感染症を繰り返す要因となりますので、小学校入学前をめどに、隔壁に穴をあける手術を行う必要があると考えられます。
鼻の穴がふさがっているというのは、おそらく「後鼻孔閉鎖症」のことと考えられます。鼻の奥の部分に先天性の隔壁があり、その隔壁によって鼻の前後が遮断されている状態です。
また、「後鼻孔閉鎖症」は、片方の鼻に限られる場合と、両方の鼻がふさがれている場合があり、両側の「後鼻孔閉鎖症」では、鼻からの呼吸がまったくできませんので、鼻呼吸が中心で口呼吸が困難な出生直後から生後6ヵ月くらいまでの間は、高度の呼吸困難症状が続くことになります。
ご相談のお子さんは右の鼻の「一側性後鼻孔閉鎖症」のようですので、左鼻からの呼吸が可能であったため、哺乳(ほにゅう)に少し問題があった程度で、呼吸困難などの問題は生じなかったと考えられます。
しかしながら、通常、鼻からのどに流れて行くべき鼻水の経路がふさがれていますので、現在でも常に鼻水が垂れている状態が続いているわけです。
また、たまっている鼻水の感染によるにおいが、口臭と感じられることがあるかもしれません。
成長に伴っての症状の改善は期待できませんし、鼻水が常にふさがっている側の鼻の中にあふれた状態が続き、今後、鼻の感染症を繰り返す可能性が高いと考えられます。
最終的には手術により隔壁に穴をあけて、空気と鼻水の流れる道を作ってあげる必要があると考えられます。
通常、鼻の空間が狭い新生児期・乳児期は、手術が非常に困難となりますので、1歳以降を目安に、そのお子さんの症状の軽重に応じて、手術を考慮することになります。
ご相談のお子さんの状況では、ご本人が症状を気にするようになる前には、具体的には小学校入学以前を目安に手術を検討されてはいかがでしょうか?
なお、頻度の少ない特別な病気ですので、手術は小児専門病院等での対応が必要となる可能性が高いと考えられます。