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総合監修:二瓶 健次 先生
各専門分野の先生の紹介
体の部位アドバイス - 口に関すること
歯並び5歳6ヵ月
寄せられたご相談
受け口と言われましたが、早急に治した方がよいのでしょうか。
先日「『受け口』です。今はいいですが、6歳くらいになったら、矯正をしないといけません」と言われました。遺伝すると聞いたのですが、思い当たる親類などはいません。
本来、「受け口」とはどういうものなのか? 早急に治した方がよいのかを教えてください。
先生からのアドバイス
池田 正一 先生
6歳ごろに矯正が必要とのことなので、歯性反対咬合(こうごう)だと思われます。比較的簡単に直ると思われるので、小児歯科医か矯正歯科医に相談されるとよいでしょう。
「受け口」とは反対咬合(乳歯列の場合は、逆被蓋ともいいます)あるいは下顎(かがく)前突とも言います。これは連続する3本以上の上の前歯が、下の前歯の内側にあるかみ合わせのことを言います。
受け口には3つのタイプがあります。
1.歯が生えるときに、何らかの理由で上の歯が下の歯の内側に入ってしまった「歯性反対咬合」。
2.前歯でかみ合わせると、上下の歯の先端でかみ合うことを切端咬合と呼びますが、その状態から、強く奥歯でかみしめると下のあごが前の方へすべるように出てきて、下の歯が前に出てしまう「機能性反対咬合」。
3.上下のあご自体に問題があり、上のあごが引っ込んでいるか、下のあごが前に出ているか、その両方かで反対となっている「骨格性反対咬合」。
上のあごと下のあごの成長は、時間的にずれがあり、上のあごは12歳ごろにほぼ完成しますが、下のあごは身長が伸びているうちは成長しますので、反対咬合は年齢とともに明らかになります。
歯性反対咬合は歯の交換期に永久歯の生える力を利用して、方向を変えてあげるだけで治る場合が多いのですが、機能性反対咬合は、放置すると骨格性反対咬合に移行することもあり、骨格性と合わせて矯正専門医による長期の治療、管理が必要です。ぜひ専門医とご相談されることをおすすめします。