- 監修:磯部頼子先生
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啓子先生からの入園アドバイス
啓子先生 | ちー先生 | ハジメ先生 | ||||
幼稚園教諭暦ウン十年のベテラン。どんな問題も、啓子先生が来ればすべて解決! | 幼稚園教諭暦3年。こどもたちと遊ぶときも全力、叱るときだって全力! | 幼稚園教諭暦1年目。落ち着きのある癒し系。でも体を動かす遊びでは別人に! |
けんかというほどではないけど、こうした小さないざこざはもうしょっちゅうですよね。 |
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こういうときは大人が慌ててしまうと、かえってこじれる気がします。 |
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そう。実はこうした小さないざこざは、ささいなことだからこそ必要な経験です。子どもはいざこざの中で「ちょっといやな思いをする」のと、解決して「ほっとする」という両方の感情を体験するわね。それが相手の気持ちに目を向け、人とかかわる力を育てるうえで欠かせない経験になるんです。 |
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もう少し年齢が上になると、自分たちで解決することもできるようになっていきます。それもこの時期からの積み重ねのたまものなんですね。 |
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だから、いざこざは起きないように配慮するよりも、起きたときにどう対応するかを考えることが大切なんですよ。 |
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いずれ自分たちで解決するときのモデルになるような対応をすればいいんでしょうか。 |
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そうですね。4歳くらいになると、いざこざが起きても双方に言い分があるので、お互いの思いを丁寧に聞いて、それを伝えてあげることが必要です。それぞれのケースに合った、いろいろな解決のかたちが体験できるように大人も一番いい解決策をきちんと考えたいですね。 |
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もし自分たちで解決できたら、それを見逃さずに認めることも…。 |
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とても重要ですよ。大人がそれができたことのすばらしさを言葉で伝えて、子どもに成長を実感させてあげれば、子どもたちはますます自分たちで解決する力を育てていくでしょうね。 |
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園生活では、小さないざこざの芽は摘みきれないほどあります。おうちのかたから「どんな小さなもめごともできれば避けたい」という要望を受けることもありますが、こうした小さい経験から、子どもは相手がいて自分がいるという関係や、一緒に生活していくための調整方法を学んでいきます。ただし、ただささいなことは何となくやりすごすこともできるため、経験をプラスにできるかどうかは大人の対応次第。小さないざこざに直面したら「トラブル」や「けんか」とは考えず、落ち着いて解決策のお手本を示してあげましょう。その経験の積み重ねが大きなトラブルを防いでくれます。また、どんなに小さないざこざでも、きつい言葉を使うと途端に険悪になってしまいます。言葉の一番のモデルは大好きなおうちのかたですから、きれいな日本語や心地よい言葉を伝えていくことも意識してみてください。
※ここでご紹介している事例やアドバイスは、磯部先生監修の「子どもの発達と保育のポイント」を元に作成しています。