- 監修:磯部頼子先生
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啓子先生からの入園アドバイス
啓子先生 | ちー先生 | ハジメ先生 | ||||
幼稚園教諭暦ウン十年のベテラン。どんな問題も、啓子先生が来ればすべて解決! | 幼稚園教諭暦3年。こどもたちと遊ぶときも全力、叱るときだって全力! | 幼稚園教諭暦1年目。落ち着きのある癒し系。でも体を動かす遊びでは別人に! |
ついこの間まで、何でも「自分で!」って言って手伝われるのを嫌がっていた子が、急に「やって、やってー」になることってありますよねぇ。 |
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任せてほしいのかな? って思っても、案外そうでもなかったり…。 |
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そう。そんなときの子どもの気持ちは、実はとっても複雑なのよ。子どもは2歳を過ぎたころから反抗期が始まって、同時に「自分で」と主張するようになりますね。 |
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「自分で」という気持ちは、いろいろなことにトライする原動力。それでできることが増えて、自信もついていくんですよね。 |
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そうです。だから大人は、できるだけ子どもに任せるようになります。でも、あまり任されるようになると、子どもは今度は大人が自分を見てくれていない、かまってくれなくなる…と感じて、急に不安になったりするんです。 |
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そうか。甘えは、「できないから」とか「面倒くさいからやってほしい」っていうわけじゃなくて、「もっと自分を見て」っていうサインなんだ…。 |
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ある程度生活面で自立している4~5歳でも、甘える場面はありますね。 |
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それも「自分をしっかり見守って」というサインの場合もあります。でも、5歳くらいになると、友だちとの関係の中で、自分だけでは処理しきれない複雑な思いを抱くことも出てくるでしょう。 |
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友だちとの遊びでは、がまんしなくちゃいけないことや思うようにできないこともありますしね。 |
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お兄ちゃん、お姉ちゃんとして期待される分、自信をもったり、自信がなくなったりして、揺れていることもありますね。 |
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そんなときには安心できる大人に甘えながら、自分の気持ちを立て直したり、調整したりしていることも多いんですよ。こうした「甘え」は環境が変わったり行動範囲や交友関係が広がるときには、たとえ小学生になっても必要な場合があります。しっかり受け入れてあげなければいけないわね。 |
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子どもが成長して、できることが増えてくると「もう幼稚園なんだから…」「一度できたんだから…」と、子どもに任せたくなります。でも、大切なのは、手は出さないけれど、目と心はしっかりと向けているということです。
例えば、子どもが「やって」と言ってきたときに、すぐに手伝ってしまうのでは「甘やかし」。かといって、「できるでしょ」と突き放してしまうと子どもは不安になります。こんなときは、「見ててあげるから、やってごらん」と言って、しっかりと見守り、「できたね! すごいねー」と子どもの成長を一緒に喜んであげてください。子どもはおうちのかたが見ていてくれるという安心感でがんばれますし、新しいチャレンジもできるのです。
「甘やかす」のではなく、「甘え」を受け止めるゆとりをもつことが、子どもの安心感、自立心をはぐくみます。
※ここでご紹介している事例やアドバイスは、磯部先生監修の「子どもの発達と保育のポイント」を元に作成しています。