特別インタビュー《はじまりは部活だった》積み重ねた「基礎」が今につながってます!
バレーボール選手の木村沙織さんに、バレーボール部の経験で得たことや、どんな練習をしていたかなど、今、中学生に伝えたいメッセージを伺ってきました。
Q.これまで積み重ねた練習で今も生きていることは何ですか?
A.基礎の大切さです。
もともと母がママさんバレーのチームに所属していて、その練習についていったのが、バレーボールに触(ふ)れた最初のきっかけ。同じように練習に来ていた同い年の子がバレーをしているのを見て、「わたしもやってみたい!」と思い、小学校のクラブチームに入団しました。
とにかく基本練習をみっちりときたえるチームで、レシーブ練習を延々と続けたり、オーバーパスを1000回連続でできるまでやめなかったり…。かなり地道な練習の積み重ねでしたが、6年生の時にチームは東京新聞杯で優勝することができましたし、その時身につけた基礎的な部分が、今のプレーにも生きていると思います。
Q.中学の時はどんな練習をしていましたか?
A.「自分で考えること」を大切にしていました。
監督(かんとく)の方針もあって、中学・高校の練習は、言われたことをこなすというよりも、自分たちで今何が必要なのかを考えて、自主練することをすごく大切にしていました。
たとえば練習試合をしたときは、ゲームを終えたら「なぜあの場面で逆サイドに打たなかったのか」など失点の原因を追求して課題を見つけ、次の練習につなげるようにしていました。
Q.練習がつらい時はどうしていましたか?
A.苦しいときこそ笑顔で乗り越えるようにしていました。
中学時代、走りこみなどの体力トレーニングはすごくキツくてきらいでした。でも、「いやだ?」と思いながらしんどい表情で練習していたら、よけいにツラくなるなって思って。だったら、「いやだと思ったときこそ笑うようにしよう!」と心がけていましたね。笑いながら走っていましたよ(笑)。そのおかげなのか、中学生の時の部活は楽しい思い出でいっぱいなんです。
Q.部長の立場である中学生がキャプテンとして心がけるべきことは?
A.自然体でいることです。
2013年から全日本女子チームのキャプテンを務めていますが、もともとリーダーシップがあるタイプではないので、正直自分がきちんとキャプテンとしての役割を果たせているのかはわかりません。でも、まずはプレーの中で自分のバレーをチームのみんなにしっかりと見せられたら、と思っています。肩ひじを張らず自然体の自分でいることで、後ハイ選手もついてきてくれたら一番ですね。
チームで目指すのは世界一。わたし一人がチームを引っ張っていくというよりは、メンバー全員が目標に向かって同じ気持ちで練習を積み重ねていくことで、一致団結(いっちだんけつ)できるんだと思います。
Q.部活でレギュラーの座を勝ち取るには?
A.だれにも負けない得意ワザをつくろう!
何か1つでも、「これなら戦える!」と自信を持てる強みをつくると、監督(かんとく)に自分をアピールしやすくなります。わたしの場合は、今も得意ワザの一つであるサーブ練習をよくしていました。サーブは試合の中で流れを変える重要な役割を果たすので、「木村はサーブをよく練習していた」と思ってもらえるだけでも、試合で使われる可能性は高くなると思います。もし、チャンスがめぐってきた場面で失敗をしても、まわりの部員もチームメイトがどれくらい練習を積み重ねてきたのかはちゃんと見ているもの。「あれだけ練習した結果なら仕方ない!」と、がんばりは認めてくれるはずです。だからどんな時も怖がらず、自分の強みを発揮できるように努力を重ねる!これに限ると思います。