【江戸幕府の成立】紫衣事件がよくわかりません
紫衣事件がよくわかりません。何が問題で事件になったのですか?後水尾天皇の行動がなぜ悪いことだったんですか?
進研ゼミからの回答
こんにちは。日本史の学習に頑張って取り組んでいますね。では,いただいた質問にお答えします。
【質問の確認】
紫衣事件がよくわかりません。何が問題で事件になったのですか?後水尾天皇の行動がなぜ悪いことだったんですか?
【解説】
紫衣事件は幕府がひきおこした事件です。
幕府は朝廷を統制するために禁中並公家諸法度を制定しましたが,この中に紫衣の寺の住職に関する許可規定も含まれていました。「紫衣」とは徳の高い僧に贈る紫色の僧衣で,天皇の勅許が必要でしたが,幕府が禁中並公家諸法度で厳しく干渉していました。そのため,後水尾天皇や公家の間に不満を残し,後に紫衣事件がおこりました。
では「何が問題で事件になったのか」について説明しますね。
紫衣事件とは,禁中並公家諸法度で許可規定が定められているのにも関わらず,後水尾天皇が幕府の了解を得ずに大徳寺などの僧侶に紫衣着用を許可したことを幕府が違法だと問題にして,これを取り消し,抗議した大徳寺の沢庵らを流罪にした事件です。
つまり,後水尾天皇が禁中並公家諸法度を守らずに,紫衣の着用を許可したことが,幕府にとって問題となり,後水尾天皇の行動が悪いことだということになったのです。
このように幕府は紫衣事件をひきおこし,幕府の法(法度)が天皇の許可(勅許)に優先することを示したのです。
【アドバイス】
江戸幕府の幕藩体制を確立するためには大名や寺社の統制も必要でした。そのために制定された法や制度の名称をその内容とともに『進研ゼミ』教材などで理解しておきましょう。そして演習問題にも取り組んで,知識の定着化を図っておいてくださいね。
それではこれで回答を終わります。これからも『進研ゼミ高校講座』を活用して,学習を進めていってくださいね。