【占領下の日本】アメリカの占領政策がわかりません
アメリカの占領政策が転換したとありますが,どうして占領政策を転換することになったのでしょうか?実際にどのような政策が実施されたのかもあわせて教えてください。
進研ゼミからの回答
こんにちは。
いただいた質問にさっそくお答えします。
【質問の確認】
アメリカの占領政策が転換したとありますが,どうして占領政策を転換することになったのでしょうか?実際にどのような政策が実施されたのかもあわせて教えてください。
【解説】
第二次世界大戦後,米ソの東西冷戦が激化しました。当初ヨーロッパで冷戦が激化していましたが,中国での内戦の結果共産党が優勢になってきたところでアメリカの日本への占領政策は転換されています。つまりアメリカは日本を東アジアにおける主要友好国とすることで,共産主義進出の防波堤にしようと考えたのです。これが占領政策変更の理由です。
◆終戦直後の政策
大戦終結後,連合国が対日占領政策の決定などを行っていましたが,実際はアメリカ政府主導で占領政策は立案・実施されました。そして占領政策の当初の目標は「非軍事化」と「民主化」であり,これによって日本社会を改造し,アメリカや東アジアにとっての脅威とならないようにすることでした。
◆占領政策変更後の政策
中国内戦で共産党勢力の優勢がはっきりしてくると,「非軍事化」「民主化」という当初の目標は達成されたとして,とくに経済復興を強く求める政策に変換されました。つまり,アメリカは日本を政治的に安定した工業国として復興させ,東アジアにおける西側つまり資本主義国の中心として強力な力をつけるという方針に変更したのです。
◆「政策」:経済安定九原則・・・・総予算の均衡・徴税強化・賃金の安定・物価統制など。
そしてこれを実施するために「ドッジ=ライン」といわれる一連の施策が指示されました。つまり,赤字を許さない均衡予算の編成による財政支出の削減。1ドル=360円の単一為替レート設定による日本経済の国際経済への直結。「シャウプ税制」といわれる直接税中心主義や累進所得税制の採用。これらが行われました。
【アドバイス】
東西冷戦の激化のなかで,アメリカの日本占領政策が変更され,日本には再軍備と経済の自立,さらに労働運動についても規制が強化されました。占領直後の民主化政策と対比してみておくと政策転換がはっきりし,理解が深まりますね。
それではこれで回答を終わります。これからも『進研ゼミ高校講座』にしっかり取り組んでいってくださいね。