【植物の環境応答】【生物と光】花芽形成のしくみの問題で,グラフから植物を見分ける方法がわかりません。
花芽形成のしくみの問題で,グラフから植物を見分けられません。見分ける方法を教えてください。
進研ゼミからの回答
こんにちは。さっそく質問に回答しますね。
【質問内容】
【問題】
【解答】
問1(1) ① 2,4(順不同) ② 1,3(順不同)
グラフから短日植物と長日植物を見分ける方法がわからない,というご質問ですね。
【質問への回答】
長日植物・短日植物・中性植物について確認しましょう。
植物は連続した暗期を葉で感知し,花芽形成が起こります。
花芽形成が起こるか起こらないかの分かれ目となる暗期の長さを限界暗期といいます。
連続した暗期の長さが限界暗期以下になると花芽形成が起こる植物を長日植物といいます。
連続した暗期の長さが限界暗期以上になると花芽形成が起こる植物を短日植物といいます。
日長に関係なく花芽形成が起こる植物を中性植物といいます。
では,この問題の図Aの読み取り方について解説します。
読み取るポイントは連続する暗期の長さと限界暗期の関係です。
実験1では,連続した暗期の長さが限界暗期以下になっています。
したがって,長日植物では花芽形成が起こりますが,短日植物では花芽形成が起こりません。
実験2では,連続した暗期の長さが限界暗期以上になっています。
したがって,長日植物では花芽形成が起こりませんが,短日植物では花芽形成が起こります。
実験3と実験4は,暗期の途中に短時間の光照射(光中断)を行っています。
光中断があると,連続暗期は一度リセットされますので,光中断前後の連続した暗期の長さで判断します。
実験3では,光照射前後の連続した暗期の長さは,いずれも限界暗期以下となっています。
したがって,長日植物では花芽形成が起こりますが,短日植物では花芽形成が起こりません。
実験4では,光照射後の連続した暗期は,限界暗期以上となっています。
このように,光照射前後のいずれかの連続した暗期の長さが限界暗期を超えている場合は,
長日植物では花芽形成が起こりませんが,短日植物では花芽形成が起こります。
以上のことから,花芽形成が起こるのは,
短日植物:実験2,実験4 長日植物:実験1,実験3
だとわかります。
【学習アドバイス】
植物の光周性と花芽形成では,まず長日植物や短日植物とはどのような植物なのかを正しく理解しておくことが重要です。
問題では,与えられたデータから,連続する暗期の長さが,限界暗期以上なのか,限界暗期以下なのかを読み取り分析しましょう。光中断では,一度連続暗期がリセットされる点も要チェックです。
ポイントを押さえたら,類題に取り組んで,理解したことが問題で実践できるか確認しましょう。