【生物群集と生態系】エネルギー効率の計算の仕方がわかりません。
エネルギー効率はなんとなくわかっているつもりなのですが,実際に問題を解くと,表のどの数字を計算式のどこに当てはめたらいいかわからなくなってしまいます。計算式の立て方から丁寧に教えてください。
進研ゼミからの回答
こんにちは。さっそく質問に回答しますね。
【質問内容】
【問題】
図は,ある生態系の各栄養段階における有機物に含まれるエネルギーの移動を示したものである。
なお,同じアルファベットは同じものをあらわし,例えばBはそれぞれの成長量,Dはそれぞれの枯死・死減量である。
問1 図中の記号のうち,E,F,Gはそれぞれ何をあらわすか。最も適当な語句を答えよ。
E( ) F( ) G( )
問2 A~Fのうち,分解者に渡る有機物(エネルギー)量を示すアルファベットをすべて答えよ。
( )
問3 次表は,ある生態系の有機物に含まれるエネルギー量(相対値)を示したものである。(1)~(3)の数値を計算せよ。ただし,消費者のエネルギー効率は,1つ下位の栄養段階の生物の同化量(総生産量)に対する,その栄養段階の同化量であらわされるものとする。
(1) 一次消費者の同化量
( )
(2) 一次消費者のエネルギー効率(%)
( )
(3) 二次消費者の成長量
( )
【解答】
問1 E 呼吸量 F 不消化排出量 G 純生産量
問2 D,F(順不同)
問3 (1) 57 (2) 10% (3) 2
エネルギー効率の計算やその考え方がわからない,というご質問ですね。
【質問への回答】
エネルギー効率を求めるときには,総生産量や純生産量などの用語の意味を正しく理解しておくことが重要です。
【生産者の生産量と成長量】
総生産量
一定面積内の生産者が,一定期間内に光合成によって生産する有機物の総量。
純生産量
総生産量から呼吸によって消費される量(呼吸量)を差し引いたもの。
純生産量=総生産量-呼吸量
成長量
純生産量から一次消費者である動物に食べられる量(被食量)と,生産者の植物体の一部が枯れ落ちたりして失われた量(枯死量)を差し引いたもの。
成長量=純生産量-(被食量+枯死量)
【消費者の同化量と成長量】
同化量
消費者が1つ前の栄養段階の生物を摂食した量(摂取量)から,未消化のまま体外に排出した量(不消化排出量)を差し引いたもの。
同化量=摂取量-不消化排出量
消費者の同化量は,生産者の総生産量に相当します。同化量から呼吸量を差し引いた量が生産量で,生産者の純生産量に相当します。
成長量は,同化量から呼吸量と被食量(高次の動物に食べられる量)と死減量を差し引いた量になります。
成長量=同化量-(呼吸量+被食量+死減量)
次に,エネルギー効率について解説します。
食物連鎖の各栄養段階において,1つ前の栄養段階のエネルギー量のうち,その段階で利用されるエネル
ギー量の割合(%)を示したものを『エネルギー効率』といいます。
では,問3の(2)で一次消費者のエネルギー効率(%)を求めてみましょう。
まず,1つ前の栄養段階(生産者)の同化量(総生産量)を求めます。
次に,一次消費者の同化量を求めます。
一次消費者の同化量=成長量+被食量+死滅量+呼吸量
①と②を上のエネルギー効果を求める式に代入して答えを求めましょう。
【学習アドバイス】
有機物の収支に関する用語の意味を正しく理解し,図中で有機物の収支をイメージできるようになっておくと,
計算式を導きやすくなります。
これからも進研ゼミで勉強を頑張ってください!