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地学基礎 定期テスト対策【太陽と恒星】恒星の見かけの等級から,地球からの距離を求める考え方

【太陽と恒星】恒星の見かけの等級から,地球からの距離を求める考え方

この問題について,解説を読んでも全然わかりません。見た目の等級が同じ恒星bと恒星dについて,地球からの距離の違いはどうやって求めているのか,もっとわかりやすく教えてください。

進研ゼミからの回答

こんにちは。 さっそく質問に回答しますね。

【質問内容】
【問題】
太陽と同じ大きさの5つの恒星a ~ eがあるとして,表はそれらの色や表面温度,スペクトル型をまとめたものである。ただし,恒星の大きさが同じであるならば,恒星の明るさは表面温度が高いほど明るい。

恒星 a b c d e
青白
表面温度〔K〕 4500 10000 3500 25000 6000
スペクトル型 (ア) A (イ) B (ウ)

恒星b と恒星d の見かけの等級が同じであった場合,地球からの距離はどちらが遠いか。

【解答】
d

【解説】
恒星bと恒星dを比べると,表面温度は恒星dの方が高いため,明るさは恒星dの方が明るいことになる。地球から見た見かけの明るさは距離が遠いほど暗くなるので,恒星bと恒星dが同じ明るさに見えているならば,より明るいはずの恒星dが遠くにあることになる。

この問題の,「見かけの等級が同じ恒星bと恒星dについて,地球からの距離の違い」の求め方について,詳しくご説明していきますね。

【質問への回答】
問題文に書かれている内容や表の数値を読みとり,どのようなことがわかるのかを考えます。

まず,問題文から読みとった内容を書き出します。

① 恒星bと恒星dはどちらも太陽と同じ大きさ。

② 恒星の大きさが同じであるならば,恒星の明るさは表面温度が高いほど明るい。

③ 恒星bの表面温度は10000K,恒星dの表面温度は25000Kで,恒星dの方が表面温度が高い。

①~③の内容からわかるのは,

「恒星bと恒星dは同じ大きさで,恒星dの方が表面温度が高いので,恒星dの方が明るい。」 ということです。

この問題では,恒星bと恒星dの見かけの等級が同じである場合について考えています。

見かけの等級
恒星を地球から見たときの明るさ

同じ明るさの恒星であっても,距離が違うと地球から見たときの明るさは異なります。
恒星までの距離が大きいと星は暗く見えるし,恒星までの距離が小さいと明るく見えます。
例えば,太陽は見かけの等級が約-27等級で他の恒星と比べて非常に明るいですが,これは太陽が近くにあり,他の恒星が遠くにあるためです。

以上の内容から,この問題を考えてみましょう。
実際の恒星の明るさでは,恒星dの方が明るいのに対して,見かけの等級は恒星bと恒星dで同じ,つまり同じ明るさに見えるということは,明るい方の恒星dが,恒星bよりも地球からの距離が遠いという分析ができます。
このように「見かけの等級」は恒星の実際の明るさを表しているわけではありません。
恒星の本来の明るさを示すために使うのが「絶対等級」です。

最後に,この絶対等級についても確認しておきましょう。
恒星の実際の明るさを比較するために,恒星を10パーセク(32.6光年)の距離において見たときの明るさを「絶対等級」といいます。

絶対等級の図
絶対等級については,次の解説を参考にしてください。
絶対等級の図と説明

【学習アドバイス】
恒星の明るさに関する問題では,恒星の明るさと表面温度の関係や,見かけの等級と絶対等級の意味を正しく理解し,問題中で内容を整理し考えることができるようになっておくことが重要です。

今後も「進研ゼミ高校講座」を利用して,学力アップをめざしましょう。

  • ここで紹介している内容は2017年3月時点の情報です。ご紹介している内容・名称等は変わることがあります。

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