目標2 飢餓をゼロに 『未来』と向き合う夏にしよう SDGs×自由研究

どんな目標?

現在、世界中で8億人以上の人が、食べ物が少なく、栄養が足りない状態で生活しています。そのうち1億5千万人は、発育のために特に栄養が必要な5才未満の子どもたちです。一方で、日本のような先進国では、多くの人が食べ物を簡単に手に入れることができ、たくさんの食べ物が食べられないまま捨てられています。 こうした食べ物についての不平等を減らし、中でも貧しい人たちや子どものように弱い立場にある人たちが、十分な食べ物を手に入れられるようにすることが必要です。

食べ物についての不平等をなくすための第一歩。
わが家の「フードロス」を測定してみよう!

世界では9人に1人が食べ物が足りない中で生活している一方で、日本では、2018年で年間2500万トン以上の食べ物が捨てられています。このうち、まだ食べられるのに捨てられている「フードロス」は約600万トン。1人あたりで計算してみると、お茶わん1ぱい分の食べ物が毎日捨てられていることになります。
世界中で、食べ物が十分にある国から足りない国へ送られる食べ物の量(2019年で年間420万トン)よりも多くを、日本だけで捨ててしまっているのです。

こうした現実について「もったいない」「何かがおかしい」と感じて行動することは、食べ物についての不平等をなくすための第一歩です。おうちの人にも協力してもらって、まずはわが家のフードロスを測定してみましょう。

やってみよう!

用意するもの

フードロスの量をはかってみよう

フードロスをはかる方法は簡単です。
食べ残しや飲み残し(好ききらいなどの理由で、手をつけずに捨ててしまうものも入ります)をした時や、いたんだ食べ物・飲み物を捨ててしまう時、それらを捨てる前にボウルに入れて、はかりで重さを測ります。

◎フードロスとして計量するもの

  • 食べ残しや飲み残し
  • 手をつけずに捨てる食べ物や飲み物
  • (いたんでしまったなどの理由で)料理せずに捨てる食べ物や飲み物

◎計量しないもの

  • 料理中に出たくず(野菜の切れはしなど)
  • 野菜の皮やしんの部分
  • 魚の骨
  • ラーメンなどの残りのしる
  • に物やつけ物のしる
  • かんづめの中のシロップ
  • ティーバッグやコーヒーのかす

「もともと食べられない部分や、全部食べる(飲む)と体に良くないとされているものは、フードロスとして計量しなくて良い」というのが基本的なルールです。
上に書かれたもの以外にも、これはフードロスになるかな?というものが出てきたら、家族で話し合って計量するかどうかを決めましょう。

まず1週間(7日間)を調査期間として、日付、捨てたもの、捨てた量(重さ)、捨てた理由を、ワークシートに記入してください。
捨てたものを正確に記録できていないと、調査の意味がなくなってしまうので、家族にも協力してもらい、みんなが捨てた食べ物や飲み物について正確に記録するようにしましょう。
1週間続けて記録ができたら、フードロスの合計も計算します。

調査(期間:7月25日〜7月31日)
日付 捨てたもの 捨てた量 捨てた理由
7月25日 レタス 35グラム いたんでいたので外側を切った
7月26日 ピーマン 30グラム 弟が食べ残してしまった
7月27日    
7月28日    
7月29日 えんどうまめ 90グラム 少しいたんでいたので、ゆでる前に悪くなってしまった分を選んで捨てた
7月30日    
7月31日 ピザ用チーズ 100グラム かなり前に消費期限が切れて、カビも生えていた
1週間のフードロスの合計 255グラム  
「第1回・フードロスゼロ会議」で話し合ったこと
  • いたんでいると理由で捨ててしまっているものが意外と多い
  • 食べ残しで出るフードロスはゼロにできるはず
  • それぞれの立場でできることをしっかりやるのが大切
  • 具体的にやることの目標
    お母さん:***
    お父さん:***
    わたし:***
    けんじ(弟):***

フードロスをゼロにするための社会実験をしてみよう

1週間目の調査が終わったら、家族全員で「フードロスゼロ会議」を開きましょう。
これまでの記録を見ながら、何を捨ててしまうことが多いのか、どのような理由で捨ててしまうことが多いのか、どうすればフードロスをゼロに近づけることができるのかを話し合います。
もし1週間目でフードロスがゼロであれば、どうやって今後もゼロのままにしていけるかを話し合ってください。
この会議で話し合ったことのうち、要点(大事だと思うこと)もワークシートに書いておきます。

会議で決めた工夫も取り入れて、2週間目の調査に入ります。
1週間目と同じように、日付、捨てたもの、捨てた量、捨てた理由を、ワークシートに記入していってください。
フードロスをゼロにするのは難しいかもしれませんが、1週間目より量を減らすことが大切です。

{1-(2週間目のフードロスの量)÷(1週間目のフードロスの量)}×100

という式で、フードロスの量を何%減らせたかを計算することができます。
小学校高学年以上の人は、ぜひ計算してみてください。

2週目の実験が終わったら、2回目の「フードロスゼロ会議」を開きます。
1週目の結果をもとに考えた工夫がうまくいったかどうかや、フードロス問題について今後どのような行動をしていくかなどを相談し、話し合いの内容をワークシートにまとめてみてください。

まとめよう!

わたしのアクション(やること)を宣言しよう!

やってみよう!を通して感じたことと、SDGs の目標「2:飢餓をゼロに」を踏まえて、自分ができることを宣言しましょう。

例) ・1週間目は、フードロスが出た日のほうが多かったので、こんなに食べ物を捨てているのかとびっくりしました。毎日フードロスを測っているうちに、だんだん「捨てたくないな」「フードロスをゼロにしたいな」という気持ちが強くなっていきました。これからは、私も冷蔵庫にどんな食べ物が残っているかを確認するようにして、お父さんやお母さんとスーパーに行った時に「それは家にあるよ」と声をかけられるようにしようと思います。

まとめよう

例)

さらに深める!

さらに研究を深めたい場合は、以下のようなステップで研究してから「わたしのアクション宣言」をしてみよう。

身の回りで調べよう!

インターネットや図書館で、フードロス問題についてさらに調べよう!

<参考サイト> 農林水産省 食品ロスの現状を知る https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2010/spe1_01.html

消費者庁 食品ロスの低減 https://www.caa.go.jp/future/project/project_010/

世界について調べよう!

インターネットや図書館で、世界の飢餓(きが)問題について調べよう!

<参考サイト> NHK WEB特集 世界の飢餓 私たちにできることは https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201202/k10012741881000.html

ユニセフ 世界の飢餓人口 増加続く 2030年の「飢餓ゼロ」達成困難のおそれ  https://www.unicef.or.jp/news/2020/0173.html

参考になる本

未来を変えるレストラン

著者 :小林 深雪 出版社:講談社

捨てられる食べものたち
(食品ロス問題がわかる本)

著者:井出留美 出版社:旬報社

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