SDGs(エス・ディー・ジー・ズ)

SDGs(エス・ディー・ジー・ズ) 『未来』と向き合う夏にしよう SDGs×自由研究

どんな目標?

SDGsは2015年国連で全会一致により採択された「2030年までの世界共通の目標」です。 ではなぜ、「世界共通の目標」が設定されたのでしょうか。今、私たちの住む地球は気候変動をはじめとした環境問題が深刻化しています。また、貧富の格差は広がり、紛争が発生し、大勢の難民・避難民が発生しています。このままの社会や環境では、未来の地球は子ども、孫、ひ孫とつながる次世代が住み続けることのできないものになるでしょう。《未来を変えなくてはいけない》そんな切実な思いからSDGs(持続可能な開発目標)は生まれました。しかし目標を設定するだけでは未来は変わりません。目標をもとに、社会構造や、システム、そして一人ひとりの「行動」を変えていくことによって、初めて未来は変わります。 世界を持続可能にできるかどうかは、今を生きる私たち一人ひとりの行動にかかっているのです。

SDGs達成に向けた多様なアプローチ
様々なNGO、NPO、社会起業家の
活動を調べよう

SDGsの目標を見ていると、気候変動や海洋汚染などの環境問題に限らない、様々なテーマがふくまれていることがわかります。
貧困や飢餓、紛争、医療や健康、男女格差、教育や地域間格差・・・。
これら全てに向き合っていくことで、本当の意味で豊かな地球、豊かな社会を続けていくことができるのです。

また、たくさんの問題を前にすると暗い気持ちになりますが、一方でこういった社会課題(世の中の解決すべき問題)と呼ばれるものに向き合っている団体がたくさんあることも知っておいてください。

このテーマでは社会課題の解決に取り組む様々な団体について調べ、そういった団体の活動内容を通じて、SDGsの多様な側面についての理解を深めましょう。

やってみよう!

用意するもの

NGOやNPOの活動について調べてみよう

NGO(エヌ・ジー・オー)とは「Non-governmental Organization」の略称です。日本語では「非政府組織」と訳されています。
国や民族、宗教の壁を超えた立場から、貧困や飢餓、環境などの問題に対して社会的な活動を行う団体のことを指します。

例えば日本の代表的なNGOには、以下のようなものがあります。

アムネスティインターナショナル

人権侵害のない世界を願って取り組んでいます。女性や子どもの権利、企業の社会的責任、難民と移民の権利、死刑制度の廃止など多岐にわたります。
https://www.amnesty.or.jp/

WWFジャパン(世界自然保護基金ジャパン)

自然環境の悪化を食い止め、人類が自然と調和して生きられる未来を築くことを使命に、世界約100カ国で活動している環境保全団体です。地球温暖化問題や、野生生物の保護、森や海を守る活動をしています。
https://www.amnesty.or.jp/

日本赤十字社(JRCS)

世界中で戦争・紛争犠牲者の救援をはじめ、災害被災者の救援、医療・保健・社会福祉事業などを幅広く行っています。
http://www.jrc.or.jp/

日本ユネスコ協会連盟(NFUAJ)

学校に行けない子どもたちに読み書きを教えたり、世界遺産の修復活動などが主な事業内容です。
http://www.unesco.or.jp/

NGOとよく似た言葉にNPO(エヌ・ピー・オー)があります。NPOは「Non-profit Organization」の略称。日本語に訳すと「非営利組織」。「非営利」という言葉から、利益を目的としない、ボランティアをする団体という間違い方をされることもありますが、NPOであっても利益を得ることを目的に事業を行うことは認められています。一般的な株式会社と異なるのは、得た利益を社員や株主に分配することができないという点です。得た利益については、分配するのではなく、団体の活動目的を達成するための費用にあてられます。

また、実はNGOとNPOの間に明確な区分けはありません。NGOも、非営利な民間団体であることからNPOであるとも言えます。またNPOも非政府組織であることからNGOでもあるとも言えます。ただし、日本では主に「国内を中心に活動をする団体」をNPO、「国際的な活動をする団体」をNGOと呼ぶことが多いです。

NPOは全国各地で多くの団体が社会的な目的をかかげて活動しています。内閣府のNPO法人ポータルサイトを見ると、エリアや活動分野から様々なNPOについて調べることができます。

内閣府 NPO法人ポータルサイト

https://www.npo-homepage.go.jp/npoportal/index

社会起業家について調べてみよう

近年、「社会起業家」と呼ばれる人たちが増えてきています。
起業家というのは、自分で事業(ビジネス)を起こし、例えば会社を立ち上げるなどして活動する人のことです。一方で社会起業家は、「社会課題解決のために」事業(ビジネス)を起こします。つまり、「ビジネスで社会課題を解決しようとする人」のことを指しています。(こういったビジネスのことを「ソーシャルビジネス」と⾔います)

「ビジネス」というと「お金もうけ」というイメージがあるかもしれません。しかし、ビジネスが成り立っていて、お金が正当に循環することは、その社会課題解決の仕組みが持続可能な(続けられる)形になっているということでもあります。

こういった、社会課題解決にビジネスの原理を組み合わせる発想が生まれてきたことで近年、「社会起業家」の活躍が増えています。目標1の自由研究テーマで扱った、グラミン銀行を創設したムハマド・ユヌスさんも代表的な社会起業家です。

また、日本でも多くのソーシャルビジネスが生まれています。
例えば、株式会社ボーダレス・ジャパンは「ソーシャルビジネス」しかやらない会社として、国内・海外や、分野を問わず、30以上のソーシャルビジネスを展開しています。

株式会社ボーダレス・ジャパン ソーシャルビジネス紹介
https://www.borderless-japan.com/social-business/index

株式会社ユーグレナはより多くの人に充分な栄養素を届け、人と地球のサスティナブルな発展を実現するために事業を展開し、ムハマド・ユヌスさんのグラミン銀行とも連携しています。

株式会社ユーグレナ ソーシャルビジネス
https://www.euglena.jp/businessrd/socialbusiness/

このように、「株式会社」と名のつく団体でも社会課題の解決を事業の中心としているところが増えてきています。他にも多くの社会起業家が活躍しています。ぜひ色々な人たちの活動を調べてみましょう。

ワークシートにまとめよう!

気になる活動をしている団体が見つかったらワークシートに記入しましょう。単純に活動内容をまとめるだけではなく、そういった取り組みを見て自分自身がどのように感じたのかも一言メモで良いので残しておきましょう。

また、SDGsや社会課題の解決に取り組んでいるのはNGO、NPO、社会起業家だけではありません。実際に多くの企業が自社の立場から何ができるかを考えて行動し始めています。団体ではなくとも個人で様々な活動をしている人もいます。こういった様々な行動が集まって、未来を変える大きな力になっていきます。ぜひ自分でも何ができるか考えながらまとめていってください。

まとめよう!

わたしのアクション(やること)を宣言しよう!

やってみよう!を通して感じたことと、SDGs の目標を踏まえて、自分ができることを宣言しましょう。

例) ・世界中でたくさんの人が、社会課題の解決のために取り組んでいることがわかりました。また、ビジネスで社会課題を解決する方法もあるということを初めて知りました。私も将来、社会課題の解決のために働きたいという気持ちになったので、今回調べた団体の活動を今後もチェックしながら、他の団体についても調べていこうと思います。

さらに深める!

さらに研究を深めたい場合は、以下のようなステップで研究してから「わたしのアクション宣言」をしてみよう。

世界について調べよう!

インターネットで、SDGsについて様々な側面から調べよう

<参考サイト> ベネッセ教育情報サイト SDGs持続可能な開発目標 https://benesse.jp/sdgs/

参考になる本

未来を変える目標
SDGsアイデアブック

著者:Think the Earth 彰 出版社:紀伊國屋書店

ムハマド・ユヌス自伝

著者:ムハマド・ユヌス/ アラン・ジョリ 出版社:早川書房

SDGsの
自由研究テーマを見てみよう!

SDGsの
他のテーマも見てみよう!