【幕末】金銀比価の違いによる大量の金貨流出
なぜ金と銀の交換比率が日本が1:5で外国が1:15だと,金貨が大量に流出するのかが分かりません「外国人は外国銀貨を日本に持ち込んで日本の金貨を安く手に入れた」という部分の仕組みを教えて下さい。よろしくお願いします。
進研ゼミからの回答
こんにちは。日本史の学習を頑張っていますね。
それでは,いただいた質問にさっそく解答させていただきます。
【質問内容】
なぜ金と銀の交換比率が日本が1:5で外国が1:15だと,金貨が大量に流出するのかが分かりません「外国人は外国銀貨を日本に持ち込んで日本の金貨を安く手に入れた」という部分の仕組みを教えて下さい。よろしくお願いします。
【質問への回答】
●「金と銀の交換比率が,日本が1:5で外国が1:15だと金貨が大量に流出する理由」と「外国人が銀貨を日本に持ち込んで,日本の金貨を安く手に入れた仕組み」について
では,説明していきます。
外国では金と銀の交換比率は金1:銀15でしたね。
それに比べて日本は金1:銀5と銀高でした。
簡単に言うと外国では金1gと銀を交換するためには銀15gが必要でしたが,日本では,同じ金1gを5gの銀と交換することができ,外国で交換するよりも銀の量が少なくて済みました。
つまり,日本に銀をもっていくと他の国の3倍の金が手に入る計算になったのです。
(言い換えると日本で銀5gで手に入れて持ち帰った金1gが,外国では金1:銀15の交換比率のもとで,銀15gになったのです。)
そのため,1:5の交換比率のもと,少ない量の銀貨で日本の金貨である小判と交換して安く日本の金貨を手に入れることができたので,外国人は多量の銀貨を日本に持ち込んで日本の金貨と交換して巨利を得ることができたのです。
こうして,日本の金貨が大量に海外に流出していきました。
【学習アドバイス】
貿易の開始で,金銀比価の違いにより金貨が大量に流出したこと,幕府はその対策として質の劣る万延小判に改鋳したこと,その結果,貨幣の価値が下がり物価が高騰したことも押さえておきましょう。
そして,この物価の高騰が庶民や下級武士の貿易に対する不満や反発を高め,攘夷運動のおこる経済的背景となったことも押さえておいてくださいね。