【電磁誘導・交流と電磁波】ファラデーの電磁誘導の法則の式には,なんでマイナスがつくのですか。
ファラデーの電磁誘導の法則の式は V =-N ( "ΔΦ" )/( "Δt" ) となっていますが,解答解説を見ると,問題によって,マイナスがついたりつかなかったりします。どのような場合にマイナスをつけたらいいのでしょうか。
進研ゼミからの回答
【質問内容】
《ファラデーの電磁誘導の法則の式には,なんでマイナスがつくのですか。》
【質問への回答】
●マイナスは,「向き」を表しています。
●具体例で,誘導起電力の「向き」を確認してみましょう。
例えば,図のようにコの字形の回路の上を金属棒ABが移動する場合を考えてみましょう。
左下図で金属棒ABが右向きに移動すると,この回路を貫く上向きの磁束が増加します(右下図の緑の矢印)。
すると,レンツの法則より,上向きの磁束が増加するのを妨げる向きに誘導起電力が生じます。それは,下向きの磁束(右下図の赤の破線矢印)を生じさせる向き,つまり,右下図の赤の実線矢印で示した向きに誘導電流を流そうとする向きです。
では,この「向き」を式で表すとどうなるでしょうか。
この回路は1巻のコイルと同じなのでN=1と考えます。
ここで,A→Bに誘導電流が流れる向きを正の向きとするなら,誘導起電力は
つまり,式に表すときは,問題文で正の向きをどう決めているかによって,マイナスがついたりつかなかったりするのです。
【学習アドバイス】
誘導起電力を求めるときは,以下の方法で求めましよう。
「大きさは」,ファラデーの電磁誘導の法則の式で求めて,「向き」は,レンツの法則から求めます。
そして,問題文で決められた正の向きに注意して,式に表します。