【生殖と減数分裂】染色体地図の描き方がわかりません。
染色体地図を描くための方法がわかりません。計算の順序など,解き方を教えてください。
進研ゼミからの回答
こんにちは。さっそく質問に回答しますね。
【質問内容】
【問題】
次の文章を読み,各問いに答えよ。
問1 下線部のような交配を何というか。
( )
問2 2系統間の交配で得られた個体の体細胞において,連鎖している遺伝子の組み合わせをすべて示せ。遺伝子の配列順序は問わない。
( )
問3 この交配に用いた2系統の遺伝子型を示せ。
( ) ( )
問4 表の結果から体色を決定する遺伝子B(b)と眼色を決定R(r)の組換え価を計算することができる。翅の長さの違いを無視して,体色と眼色だけに注目して分離比を整理すると,正常体色・赤眼:正常体色・辰砂色眼:黒体色・赤眼:黒体色:辰砂色眼=440+50:10:10:50+440=490:10:10:490=49:1:1:49となり,組換え価は2[%]となる。
(1) 同様にして,R(r)とL(l)の組換え価を求めよ。
( )
(2) さらに,B(b)とL(l)の組換え価を求めよ。
( )
問5 問4の結果を用いて,B(b),R(r),L(l)の位置関係を示す染色体地図を作成したい。2遺伝子間の組換え価は,染色体での遺伝子の距離に比例しているものとして,次の図のア~ウに相当するのは,B(b),R(r),L(l)のいずれか。
ア( )イ( )ウ( )
【解答】
染色体地図を描くための方法がわからない,という質問ですね。
作図の問題はニガテな人が多いですよね。順番に説明していきますね。
【質問への回答】
染色体地図を作成するときにポイントとなるのは,組換え価と2つの遺伝子間の距離の関係です。
この問題では,問5に
「2遺伝子間の組換え価は,染色体での遺伝子の距離に比例しているものとして」
と書かれていますから,これに従って染色体地図を作成します。
では,連鎖している3遺伝子の染色体地図を作成する方法について解説しますね。
①3対の遺伝子のヘテロ接合体と劣性ホモ接合体との交配結果に注目し,
連鎖している遺伝子の組み合わせを分析します。
この問題では,「互いに異なる対立遺伝子をもつ2系統間で交配を行って得た個体」が3対の遺伝子のヘテロ接合体で,遺伝子型はBbRrLlです。
また,「黒体色・辰砂色眼・短翅の個体」は劣性ホモ接合体で,遺伝子型はbbrrllです。
したがって,問題の表は3対の遺伝子のヘテロ接合体と劣性ホモ接合体との交配(検定交雑)の結果を示しています。
このデータから,最も個体数の多い「正常体色・赤眼・長翅([BRL])」と「黒体色・辰砂色眼・短翅([brl])」が, BbRrLlで連鎖している遺伝子をそのまま受け継いだものなので,問2で,連鎖している遺伝子の組み合わせはBとRとL,bとrとlと求められます。
②連鎖している3遺伝子のうち,2遺伝子ずつに注目してそれぞれの組換え価を求めます。
問4の問題にあるように,2つの形質にそれぞれ着目してデータをまとめて考えます。この問題では,B(b)と R(r)間の組換え価…2%,R(r)とL(l)間の組換え価…10%,B(b)L(l)間の組換え価…12%が得られています。
③ 組換え価と2つの遺伝子間の距離の関係から染色体地図を作成します。
問5は,「2遺伝子間の組換え価は,染色体での遺伝子の距離に比例しているものとして」
という問題の指示に従って考えます。
まず,最も組換え価が大きかったB(b)とL(l)が最も離れた距離にあることがわかります。
B(b)とL(l)の間にR(r)が存在しますが,組換え価からR(r)はL(l)よりもB(b)に近いところにあると考えられます。
このような手順で,染色体での遺伝子の相対的な位置関係を決定することができます。
【学習アドバイス】
与えられたデータから,①連鎖している遺伝子の組み合わせを判断し,②組換え価を計算して,③染色体での遺伝子の相対的な位置関係を分析し染色体地図を完成させる という方法を理解し,問題に取り組んでみましょう。
このようにある程度方法が決まっている問題は,一度コツをつかむと得意になることもあります。ぜひこの機会に理解を深めて,自分のものにしてください!