【細胞とエネルギー】有機物と無機物の違いってなんですか?
有機物と無機物とは一体何なのかを分かりやすく丁寧に教えてください。
進研ゼミからの回答
こんにちは。 さっそく質問に回答しますね。
【質問の確認】
【問題】
代謝とエネルギーに関する次の文章を読み,空欄に適当な語句を記せ。
外界から細胞内に取り入れた単純な物質をもとに,生物のからだを構成する複雑な物質を合成することを(① )といい,外界から細胞内に取り入れた物質や細胞内で合成した物質を単純な物質に分解することを(② )という。植物は細胞内に取り入れた二酸化炭素と水から光エネルギーを用いて有機物を合成する(③ )を行うが,これは(①)の一種である。
また,すべての生物は有機物を分解してエネルギーを得る(④ )を行うが,これは(②)の一種である。すべての生物において,代謝に伴うエネルギーの受け渡しを行っているのはATP(アデノシン三リン酸)である。
植物のように,外界から取り入れた無機物だけを利用して生活・増殖できる生物を(⑤ )生物と呼び,動物のように,ほかの生物がつくった有機物を利用して生活・増殖する生物を(⑥ )生物と呼ぶ。
【解答】
① 同化 ② 異化 ③ 光合成 ④ 呼吸 ⑤ 独立栄養 ⑥ 従属栄養
この問題文中に出てくる有機物・無機物という言葉の意味がよくわからない。
というご質問ですね。
【解説】
一般に,炭素Cを含む化合物を有機物といいますが,一酸化炭素,二酸化炭素や炭酸カルシウムなどの簡単な炭素化合物は無機物に分類されます。
炭素C以外に有機物を構成する元素として主なものには,水素Hや酸素Oや窒素Nなどがあります。
有機物や無機物の特徴については,化学で詳しく学習しますが,
生物では
「炭水化物,タンパク質,脂肪などのように,生物の体内でつくり出される物質は有機物」
と理解しておきましょう。
化学では,人工的につくられる有機物も扱います。
生物が体内でつくり出す物質は,植物が光合成によってつくり出した物質がもとになっています。
植物は大気中の二酸化炭素を利用して光合成を行い,有機物を合成します。
植食性動物は植物を食べ,さらに肉食性動物は植食性動物を食べ,体内で必要な有機物をつくり出します。
したがって,生物体を構成する有機物は,すべてもとは大気中にあった二酸化炭素に由来する炭素Cを含んでいます。
無機物とは有機物以外のすべての物質です。
先に示した二酸化炭素など簡単な炭素化合物と,水や金属などのように炭素以外の元素で構成されている化合物が無機物です。
【アドバイス】
生体内外のエネルギーの流れのほかにも,光合成で有機物が合成されるしくみや,呼吸で有機物が分解されるしくみについて正しく理解しておくことが重要です。
今後も『進研ゼミ高校講座』を使って,得点を伸ばしていってくださいね。