【生物の多様性と共通性】DNAと遺伝子ってどう違うんですか?
答えがDNAとなっているのですが,遺伝子ではいけないのですか?
進研ゼミからの回答
こんにちは。さっそく質問に回答しますね。
【質問の確認】
【問題】
次の文章を読み,空欄に適当な語句を記せ。
世界中には多種多様な生物が生息しているが,これらの生物には多くの共通性がある。共通性としては,生物はすべて(① )から成り立っていること,(①)の中に遺伝情報の本体として(② )があること,自己増殖できること,外部環境が変化しても体内環境の状態を一定に保つしくみがあること,生命活動に(③ )を利用することなどが挙げられる。
【解答】
① 細胞 ② DNA ③ エネルギー(ATP)
この問題の②について,DNAではなく,遺伝子と答えると誤りなのか。
というご質問ですね。
【解説】
それでは,DNAと遺伝子について解説します。
DNA分子は,デオキシリボース(糖),リン酸,塩基からなるヌクレオチドが多数つながってできています。
そして,この塩基配列が遺伝情報としてはたらくわけですが,すべての塩基配列が遺伝情報となるわけではありません。
すなわち,DNAには遺伝情報をもっている部分ともっていない部分が存在し,遺伝情報をもっているDNAの一部(領域)のことを遺伝子といいます。
したがって,DNAは遺伝子(遺伝情報)を保持している物質として「遺伝子の本体」あるいは「遺伝情報の本体」と呼ばれます。
では,この問題について確認しましょう。
②は「遺伝情報の本体」であると書かれていますから,領域を指す「遺伝子」ではなく,物質名である「DNA」と答えるのが適切です。
さらに,DNAと染色体の関係についても確認しておきます。
大腸菌などの原核生物では,細胞質基質中に通常1個の環状のDNA分子が細く折りたたまれて局在しています。原核生物の場合は,これを染色体と呼びます。
また,ヒトなどの真核生物では,DNA分子は通常ヒストンと呼ばれるタンパク質に巻きつき,繊維状の構造体で核内に分布しています。分裂期になると,繊維状の構造体が何重にも折りたたまれて凝縮され,太い染色体になります。
このように細胞内でDNAを安定に保持するために生じた構造が染色体です。
【アドバイス】
「染色体」や「DNA」,「遺伝子」などの用語は,生物ではひんぱんに使う言葉です。
今のうちに,しっかりと意味を理解しておくようにしましょう。
今後も『進研ゼミ高校講座』を使って,得点を伸ばしていってくださいね。