【整数の性質】不定方程式ax+by=c(c≠0)の整数解の求め方
なぜ,もとの式と整数解の1つを代入した式の差を求めることで整数解を求めることができるのかがわかりません。
進研ゼミからの回答
こんにちは。
いただいた質問について,早速回答いたします。
【質問の確認】
というご質問ですね。
【解説】
≪簡単な例で考える≫
xとyの係数が「互いに素」であることに注目して利用することが,この問題のポイントになります。
まず,より簡単な例で考えてみましょう。例えば,
3X-7Y=0 ・・・・・・(☆)
の形の方程式の場合,
3X=7Y
と変形して,3と7が互いに素であることから,
Xは7の倍数
でなければならないことになり,
X=7k (kは整数)
と表されます。これをもとの方程式に代入すると,
3・7k=7Y より,Y=3k
となり,(☆)の整数解は,
(X,Y)=(7k,3k) (kは整数)
と求められます。
≪方程式 3x-7y=1 の場合≫
それでは,
3x-7y=1 ・・・・・・(ア)
では,どうでしょうか?
(☆)の形ではないですが,(ア)を満たす整数解(x,y)=(-2,-1)を見つけ,
3・(-2)-7・(-1)=1 ・・・・・・(イ)
の式をつくり出して,(ア)-(イ)を計算することにより右辺が0になり,
3(x+2)-7(y+1)=0
となります。
これは,x+2=X,y+1=Yとおけば,(☆)の形の方程式になっていることがわかります。
このように変形すれば,その後は(☆)と同じ手順で解を求めることができます。
つまり,
「解き方がわかっている方程式の形を導いて解を求める」
ために
「もとの方程式を満たす整数解の1つを見つけて差をとる」
という操作をしているのです。
【アドバイス】
係数が「互いに素」の場合,回答の(☆)の式のように,右辺が0だと,ぐっと考えやすくなりますよ。
今回の(ア)のような形の方程式は,(☆)の方程式の応用ということもできます。
まずは,(☆)のように,右辺が0の方程式で整数解を求める練習をして,しっかり理解することから始めるとよいでしょう。
その後で,今回のような問題を解けば,おのずと,(右辺)=0とするための意味やその手段を考えられるようになると思います。
それでは,これで回答を終わります。
これからも『進研ゼミ高校講座』を活用して,しっかり学習を進めてくださいね。