【資本主義経済と社会主義経済】有効需要について
有効需要がよくわかりません。
詳しく教えて下さい。
進研ゼミからの回答
こんにちは。いただいた質問について、さっそく回答させていただきます。
【質問内容】
有効需要について詳しく教えて下さい。
【質問への回答】
「有効需要」の考え方はケインズ理論のなかで中心的なものです。
「有効需要」とは実際の貨幣支出をともなう需要のことです。
ケインズによれば、生産水準の大きさは有効需要の大きさで決まるとされます。
さらに、有効需要=消費+投資+政府支出+(輸出-輸入) という式であらわすことができます。
「需要」とは何かが欲しい・必要というものですが、単なる消費の欲求や潜在需要とは異なる貨幣支出をともなうものが「有効需要」です。つまり需要として有効なもの、実際に実現されるものということになりますね。
経済学では、失業をなくし完全雇用を実現するための理論も重要です。ケインズの理論によれば、雇用水準や生産水準は国全体の有効需要の大きさで決まるので、政府が積極的に経済に介入し、公共投資により有効需要を増やすことが完全雇用につながり、生産規模も拡大すると考えたのです。つまり、公共投資を増大することなどで有効需要を作り出し、不況を克服するなどの景気調整を行い、完全雇用を目指す政策をとるようにすることは、国の経済を拡大し国民にとっても有効な経済政策になるというものです。このように政府が介入する資本主義を「修正資本主義」といいます。自由放任主義の経済学を批判し、積極的に政府が経済に介入すべきであるという考え方です。
【学習アドバイス】
「有効需要」はケインズ経済学の理論の中でも重要なので理解しておきたいことですね。景気を良くするために、政府が公共投資を積極的に行うという政策は、今でもとられています。しかしこの政策も行き過ぎるとインフレにつながってしまうこともあるなど、経済政策は難しいもののようです。
資本主義経済の成立から変遷について、経済学者などの人名や、代表的な理論や政策などを整理しておくと役立ちます。