芳香族と脂肪族の違いとは?
有機化合物は,「芳香族」と「脂肪族」に大きく分類できるということですが,これらはどのように違うのでしょうか?
進研ゼミからの回答
こんにちは。いただいた質問について回答します。
【質問内容】
有機化合物は,「芳香族」と「脂肪族」に大きく分類できるということですが,これらはどのように違うのでしょうか?
というご質問ですね。
【質問への回答】
有機化合物は,炭素原子を骨格として組み立てられています。動物や植物の生命活動を維持するために必 要なタンパク質,脂肪,炭水化物などを構成している物質や,我々の生活に不可欠な衣料,医薬品などに用 いられている物質の多くは,有機化合物です。
その有機化合物の分類として,「脂肪族化合物」および「芳香族化合物」という分類法があります。
まず,脂肪族化合物とは,その化合物を構成する炭素原子どうしが鎖状に連なっている構造をしています。
これには,アルカン,アルケン,アルキンなどが含まれています。
☆脂肪族化合物の例
次に,芳香族化合物は,ベンゼン環と呼ばれる正六角形の炭素骨格をその構造中に含んでいる化合物です。
これには,フェノール,トルエン,テレフタル酸などが含まれています。構造式を見ると,「脂肪族」と「芳香族」
の区別は明らかです。
☆芳香族化合物の例
【学習アドバイス】
芳香族化合物は,化合物内にベンゼン環を含むことから,炭素原子の数は必ず6以上になります。
逆にいえば,
●有機化合物が与えられて,炭素の数が5以下であれば,ベンゼン環は存在しない
●有機化合物が与えられて,炭素の数が6以上であれば,ベンゼン環が存在する可能性がある(必ずベンゼン環が存在するわけではない)
ことを意味しています。また,問題文に「芳香族化合物Aについて……」と与えられることもあり,この場合は,
化合物内にベンゼン環が1つ以上含まれることになり,ここから化合物の構造を考えていくことになります。
これらのポイントをしっかり押さえて有機化合物の問題に取り組んでいきましょう。
以上で回答を終わります。
これからも「進研ゼミ」の教材を利用して,力をつけていきましょう。